初戦突破

 「学校の看板や過去の出場回数が試合をするわけではないし、選手は3年間で全員入れ替わる。だいたい生まれる前の『全国大会ベスト4』とか、今の選手に関係ないでしょ」…▲と、以上は、高校スポーツの「古豪」「名門校」に少なからず疑問を感じている筆者の「※個人の見解」なのだが、現実には毎年のように強いチームをつくって全国大会に出場してくる学校は多い▲あの松井秀喜選手の母校で、古いファンにはもっと昔、1979年夏の箕島高(和歌山)との延長18回の死闘が懐かしく、これまでに夏の準優勝が2回。夏の全国高校野球、本県代表の創成館高が昨日戦った星稜高(石川)も、間違いなくそんな1校だ▲その“常連校”を相手に、創成館は堂々とわたり合った。投手の制球難や守備の乱れを突いて序盤に計6点を挙げ、試合の主導権を握ると、反撃らしい反撃を許さず最終回の守りへ▲さあ、あとアウト三つ。でも、なぜか、ここから一筋縄でいかないのが野球の不思議なところだ。長打で出た走者を置いて次打者の打球は豪快にスタンドへ。甲子園には魔物が、とか要らんぞ…と画面の前で祈る思いの3点差。しかし、ナインは落ち着いていた。最後も堅守で締めて初戦突破▲長い夏にできるだろうか。日程が順調に進めば次戦は15日。(智)

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