看護職員の障害児虐待疑い 長崎県が説明会 詳細回避に保護者反発 諫早・こども医療福祉センター

障害児虐待の疑いに関する保護者説明会に向かう関係者=10日午後6時17分、諫早市、県立こども医療福祉センター

 長崎県立こども医療福祉センターの看護職員が障害児らを虐待した疑いがある問題で、県は10日、諫早市永昌東町の同センターで保護者説明会を開いた。出席者の質問に対し、県は「調査中」などを理由に詳細な説明を避けた。
 県によると、職員は女児の排泄介助時のわいせつな言動や食事介護で飲み込んでいない状態の口に食べ物を詰め込む行為などの虐待が疑われている。被害を受けた児童は少なくとも10人。職員は一部の行為を認めているが、どの行為を認めているのか県は公表していない。
 説明会は非公開。冒頭に松尾光弘センター長が「利用している皆さまにご迷惑をおかけして申し訳ない」と陳謝。疑いの概要や再発防止策を説明した。
 出席した複数の保護者によると、看護職員の氏名を「被害者の特定につながる」という理由で公表しない県に対し、保護者からは「被害者を盾にするな」と反発し公表を求める意見が出た。県は「調査中」としたが、期間は明言しなかった。「職員の顔も名前も知りたくない」と怒りをあらわにする保護者もいた。
 終了後、ある保護者は「そんなことをする人(職員)がいたのか、本当の話なのかと(思った)」と戸惑った様子だった。
 県は出席した保護者にアンケート用紙を配布。職員の言動に気になる点がないかを尋ねる。また、4日までに同センター職員を対象に、ほかに被害がないかなどをアンケートしたが、結果については「精査中」とした。


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