“心霊スポット” 無断で入ると犯罪に? 警察に聞いてみたらやっぱりそうだった オバケに取り憑かれる? 「取り締まられる可能性」

連日の猛暑ですっかり夏バテ…。こんなときは「肝試し」でヒンヤリしたいと思う方もいるかもしれません。ですが、“心霊スポット” での肝試しには注意が必要です。軽い気持ちで立ち入ると、オバケに取りつかれる…ではなく、お巡りさんに取り締まられる可能性もあります。

夏といえば「肝試し」。広島市の広島パルコには7月から期間限定でお化け屋敷がオープンするなど、この時期は特に「ホラーエンターテインメント」の人気が高いようです。

こうした施設や、映画や書籍であれば、安心安全に恐怖を楽しむことができますが…。オバケが出るとうわさされたりする廃墟など ”心霊スポット” と呼ばれる建物に無断で立ち入った場合、犯罪にあたる可能性があります。

どのようなケースが想定されるのか、広島県警察本部の 井原秀貴 減らそう犯罪情報官に話を聞きました。

Q. “心霊スポット” に無断で入った場合、どのような犯罪になる可能性がありますか

井原情報官
「建造物侵入の罪にあたる可能性があります。例えば『立ち入り禁止』などと書かれた看板があったり、ロープなどで囲われていたりする建物に入ったケースです。警察としては、近くの住民の方や管理者の方などから通報があれば現場に駆けつけ、まずは『危険防止措置』として警告を出して立ち退きを求めます。事情を聞いたうえで、無許可で立ち入ったことなどが確認されれば、建造物侵入の疑いが生じる可能性があります」

Q. 管理者が不明で、囲いもされていない場合はどうでしょうか

井原情報官
「建造物侵入にあたらない場合でも、軽犯罪法違反に該当する可能性があります。軽犯罪法には『潜伏の罪』というものがあります。この対象は『人が住んでおらず、かつ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなくて、ひそんでいる者』で、ここに該当する可能性があります。違反が認められると、拘留または科料の対象となります」

Q. インターネット上には ”心霊スポット” に潜入する動画もあったりしますが、マネしないほうがいいんですね

井原情報官
「犯罪に該当するかどうか以前に、けがをするなど思わぬ事故が起きる可能性があります。また現場で鉢合わせたもの同士でトラブルが起きたり、整備されていない道路では交通事故も起きるかもしれません。そういった場所には行かないことが大切です」

Q. 最後に井原情報官、オバケは信じますか?

井原情報官
「ノーコメントでお願いします」

好奇心や肝試しといった、軽い気持ちで ”心霊スポット” に無断で立ち入ると、大きな後悔が待っているかもしれません。

この夏は ”心霊スポット” ではなく、ホラーエンターテインメントで、楽しく怖がって猛暑を乗り切っていくのはいかがでしょうか。

© 株式会社中国放送