長倉線の図録制作 茂木町教委、計画や建設の動きまとめ 貴重な史料、画像集約

頒布されている企画展の展示図録「幻の長倉線-語り継ぐ先人の想い」

 【茂木】町教育委員会はふみの森もてぎで開催中の企画展「幻の長倉線-語り継ぐ先人の想(おも)い-」(10月9日まで)の展示解説図録を完成させ、頒布している。長倉線を含め、地域発展と産業振興のために芳賀郡など県東部と茨城県境部の明治から昭和初期の鉄道計画と建設運動の実像を、豊富な史料や貴重な画像、当時の本紙記事など新聞報道からたどることができる。

 図録はA4判116ページ。「茂木東野間鉄道敷設運動」を中心に、1894(明治27)年の「常野鉄道敷設計画」から、1940(昭和15)年の長倉線の下野中川停車場建設までの46年間の鉄道建設を巡る地元と中央の動きをまとめている。

 前半52ページは歴史記述と写真や史料の画像をフルカラーで大きく「Ⅰ 芳賀路に鉄道を」「Ⅱ 鉄道を茂木に」「Ⅲ 茂木からさらに東へ北へ」の3章に分け、史料と関連付けて分かりやすく解説した。

 後半の史料編59ページは年代順に計126点を掲載。歴史記述部分に掲載した史料の画像に付けた番号と史料番号を一致させ、活用できるようにした。

 1885(明治18)年の東北本線(大宮-宇都宮間)開通から1941(昭和16)年の長倉線工事中断までの年表「長倉線建設に至る道」は、鉄道建設の年次の動きや旧中川村長ら尽力した地元の人々、県内の鉄道路線開通や国内外の動きを掲載史料と共に一覧できて理解しやすい。

 編集・執筆は展示を担当した小森紀男(こもりのりお)歴史資料専門員を中心に同館職員が行った。千部作製、価格は1部千円。(問)同館0285.64.1023。

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