首位神戸が大迫のFK弾1発で川崎Fを撃破! エースの今季17点目守り抜き3戦ぶり白星に【明治安田J1第23節】

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12日、明治安田生命J1リーグ第23節の川崎フロンターレvsヴィッセル神戸が等々力陸上競技場で行われ、アウェイの神戸が0-1で勝利を収めた。

2試合白星のない7位・川崎F。ガンバ大阪と対戦した前節は終了間際にCKから失点し、3-4の惜敗に。壮絶な撃ち合いを落とし、この試合で先発復帰していたレアンドロ・ダミアンも今節で再びベンチ外となった。G大阪戦で途中出場から2ゴールを決めた瀬川が今季リーグ戦で初めてスタメンに名を連ねている。

首位・神戸も2試合白星なし。前節は横浜FCに0-2の敗戦を喫しており、今節も白星を挙げられなければ勝ち点「44」で並ぶ横浜F・マリノスに首位の座を再奪還される可能性もある。大迫の2ゴールで2-2のドローに持ち込んだ川崎Fとの前回対戦から約3週間、今回も大迫が最前線からチームをけん引する。

川崎Fの方は8日に加入を発表した元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスの来日が控えるなか、立ち上がりからいきなりオープンな展開に。川崎Fは山田、神戸は武藤が最終ライン背後への積極的なスプリントを見せ、先制点を狙う。

それでも両チームともフィニッシュまでは持ち込めない時間帯がしばらく続いたが、15分に川崎Fのチャンス。試合前に鬼木監督から「この一戦のキーマン」と明言された瀬川がボックス内でパスを受け、素早い反転から右足シュートを放つ。先制点には繋がらずもスタジアムを沸かせる。

神戸は34分、電光石火のカウンターからPKを獲得。自陣深くでのボール奪取から最前線の大迫にパスが入ると、大迫の巧みなポストプレーから左サイドを駆け上がるジェアン・パトリッキへとボールが渡り、パトリッキはボックス内まで運んだところで川崎Fの大南に後ろから倒された。

ところが、VARオンリーレビューの結果、倒された位置がボックス手前だったとして判定はFKに変更。その代わり当初イエローカードが提示されていた大南は決定機阻止でレッドカードとなり、神戸は前半のうちに数的有意となった。

PK獲得とはいかなかった神戸だが、FKを大迫が直接ズドン。ボックス手前左寄りの位置から壁の上を越える右足シュートを放つと、川崎FはGKチョン・ソンリョンが必死に右手を伸ばすもわずかに届かず。美しい軌道を描いた一撃がゴール左に吸い込まれ、得点ランキング1位の大迫は今季17ゴール目とした。

1人少なくなった川崎Fは中盤の橘田を下げてセンターバックの高井を投入し、システムを[4-4-1]に移行。神戸が無理に出てこなくなったこともあってポゼッションを高めるが、ゴール前に近づけば近づくほど数的不利の影響が顔を出す。

神戸は後半に入ってアクシデント。63分、左足を痛めた大迫が途中交代を余儀なくされ、汰木がピッチへ。汰木は定位置の左ウイングに入り、ジェアン・パトリッキが大迫のいた最前線へとポジションを移す。

川崎Fは71分に家長を下げて遠野を投入すると、77分にこの試合最大の決定機。連続攻撃を仕掛け、遠野がボックス左からグラウンダークロスをゴール前へ送り、合わせたのは脇坂。神戸のGK前川がゴールをガラ空きにしていたが、脇坂は左足のダイレクトシュートをクロスバー上へ外してしまった。

これをキッカケに攻撃のギアが上がると、等々力劇場の雰囲気にも後押しされ、鬼木監督は81分に3枚替えを敢行。スピードスターのマルシーニョ、宮代、佐々木を投入して勝負をかける。2年ぶりのリーグ制覇に望みを残すべく、同点弾だけでなく、逆転弾も欲しいところだ。

しかし、頼みのマルシーニョはこの一戦が戦列復帰から2試合目。味方との呼吸が微妙に合わず、神戸にスペースを消されるなかで持ち前のドリブルも大きく活かせず。後半アディショナルタイム4分にゴール正面から右足シュートを放つも、惜しくもゴールに結び付かなかった。

川崎Fはラストプレーとなった後半アディショナルタイム6分のFKのチャンスで、GKチョン・ソンリョンも上がってなんとか1点を奪いに行く。だが、最後まで1点が遠く、無情のホイッスルが鳴り響いた。

1-0で勝利した神戸は3試合ぶりの白星に。エース大迫のFK弾を守り抜き、川崎F相手の白星は2019年以来4シーズンぶりということになった。

川崎フロンターレ 0-1 ヴィッセル神戸

【神戸】

大迫勇也(前39)

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