新技成功、堀米雄斗の独壇場 「ユートルネード」

男子決勝で大技を決めた堀米雄斗。通算7度目の優勝を果たした=有明アリーナ

 一発技「ベストトリック」の3本目。堀米が予告通りに新技を繰り出した。板をはね上げて270度回り、背中側の構造物を滑ってからさらに270度回転して降りる「ノーリー・バックサイド270ノーズスライド・270アウト」。名付けて「ユートルネード」が決まった。この日最高の9.5点をたたき出すと、帽子を取って両腕を突き上げ大歓声を浴びた。

 名前の雄斗と、竜巻を意味するトルネードを掛け合わせた技名は、交流サイト(SNS)に寄せられたコメントから「トリック(技)の感じとすごく合っている」と選んだ。子ども時代から憧れたトッププロの競演、SLSのアジア開催は初めて。しかも、舞台は出身の東京都江東区。常にクールな男も、燃えないはずはなかった。

 大会直前に膝を痛めた不安要素も吹き飛ばし、練習中もほとんど決まらないという大技成功で観客を盛り上げた。圧勝に「素直にすごくうれしい。ここ最近では一番いい。10点満点で滑り切れた」。24歳の五輪王者の独壇場だった。

© 一般社団法人共同通信社