富山・有峰にクマ、登山客けが 県内で今年初の人身被害

 12日午前6時ごろ、富山市有峰(大山)の折立登山口で、登山客の30代男性が背後からツキノワグマに襲われた。腰から臀部(でんぶ)を引っかかれたものの、かすり傷の軽傷という。県のまとめでは、クマによる人身被害は今年初めて。

 県自然保護課によると、男性は県外から薬師岳に登山に来ていた。登山口で仲間と朝食を取っていたところ、クマに襲われた。成獣で子グマを連れていた。2頭はそのまま逃げたという。現場近くの林道の料金所職員が県に通報。男性は自力で応急処置し、登山を継続した。

 県などは折立キャンプ場を当面閉鎖。隣接する有峰林道折立口駐車場で登山客に注意喚起するチラシを配った。

 県自然保護課は、有峰地域はクマの生息区域で目撃情報も多いと説明。被害に遭わないため、食料は匂いが漏れないよう保管し、食べ残しやごみは持ち帰るよう呼びかけている。

© 株式会社北日本新聞社