臼杵市の佐藤さん「次世代ユネスコ国内委員」に 高校生ただ一人「情報発信に力」【大分県】

「次世代ユネスコ国内委員会」委員になった佐藤世壱さん=臼杵市臼杵

 文部科学省の「次世代ユネスコ国内委員会」のメンバーに、臼杵市市浜の佐藤世壱(よいち)さん(18)=大分舞鶴高3年=が選ばれた。全国公募した10、20代の若者19人の組織で、ただ一人の高校生。国連教育科学文化機関(ユネスコ)活動への若年世代の参画を促し、ネットワーク構築を進める役割を担う。「まずは知ってもらうことが重要。情報発信に力を入れ、臼杵の魅力も広めたい」と意気込んでいる。

 次世代委は、同省に設置されている日本ユネスコ国内委員会が4月に立ち上げた。委員(任期2年)は月1回、オンライン会議を開き、若年層にユネスコ活動をどう認知、参画してもらうかを話し合う。「教育」「科学」「文化」の班会議を設け、分野ごとのアプローチ方法も考える。

 佐藤さんは持続可能な開発目標(SDGs)に関心があり、臼杵西中在学中に学校林を守る「100年の森プロジェクト」に取り組んだ。昨年8月には世界幸福度ランキング1位のフィンランドに渡り、約10カ月の留学で暮らし方や社会システムなどを研究した。

 海外から母国を見つめる経験をしたことで、日本には独自の文化が数多く残っていることを実感したという。「次世代に文化をつなげる活動に関わりたい」との思いが強まり、委員に応募した。

 次世代委には、臼杵市も食文化で加盟しているユネスコの創造都市ネットワークや、ジオパークなどに認定された自治体のメンバーも複数いる。「各地域の取り組みや情報を共有し、連携して特性を発信する場をつくりたい。臼杵の魅力を広く伝えるプロジェクトにも挑戦したい」と力を込めた。

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