夏・広島 増える外国人観光客 ホテルはまだまだ期待 サミット効果 待っていた民泊スタイルで連泊も

G7広島サミットからまもなく3か月。原爆の日にも広島市中心部では、多くの訪日外国人の姿が見られました。

YKH 川西秀大 社長
「今からよくなると思うんですよ。3年間、待ちましたから」

アパホテル 西田徹夫 中四国地区統括支配人
「間違いなく、にぎわっていくと思います」

増える外国人観光客。この夏の広島の観光事情に迫ります。

中根夕希 キャスター
観光をめぐる主な動きですが、去年10月から「全国旅行支援」制度がスタート。4月29日には入国制限の解除で水際対策が終了しました。5月、G7広島サミットが開催されました。 8月11日は、中国政府が、日本への団体旅行の解禁を発表しました。外国人観光客が一気に戻ってきていますが、広島のホテル業界はどのような状況なのでしょうか。

広島県内で最大級の客室数727室を誇るアパホテル広島駅前大橋です。外国人観光客は、コロナ禍前の7割ほどに回復しました。

アパホテル 西田徹夫 中四国地区統括支配人
「訪日外国人の方が、1月はまだ2019年と比べて26%ほどの戻りだったが、6月では72%まで戻りました」

サミット期間中は、海外メディアの宿泊が多かったそうで、外国人宿泊客が、全体の5割を占めました。夏休みに入ってからは…

西田徹夫 中四国地区統括支配人
「夏休みに関しまして、全国のアパホテル全体でいうと、まだ2019年度と比べると、予約の進ちょく自体はマイナスです。ただ、広島だけでいますと、7.7%ほど2019年と比べてもプラスで推移しています」

全国展開するアパホテルの中でも、好調に推移する広島地区。その要因は、新井カープ!

西田徹夫 中四国地区統括支配人
「ことしは特にだと思うんですが、カープの需要が大きいのは正直あると思います。例えば広島県でも福山から来られる方、あと岡山とか、中国地方から来られる方が多いと思います。広島でプロ野球を見て、観光・ショッピング等をされて、1泊2日とか2泊3日で帰られる方が多いと感じます」

セ・リーグ3連覇したころと同じくらいの需要になっているそうです。

外国人観光客は、ヨーロッパ・アジア・北米の順で多いということです。

西田徹夫 中四国地区統括支配人
「アパグループの中でいうと、やっぱり広島は欧米の需要が極端に多いです。広島駅前大橋ですと2泊・3泊。1泊という方は少ないですね。広島を拠点に岩国とか少し足を伸ばされる方が多いように思います」

広島地区は、ビジネス・観光・レジャー・プロ野球など、もともとの宿泊需要が高いということです。

そして、気になる「サミット効果」は…

アパホテル 西田徹夫 中四国地区統括支配人
「サミットで広島という場所を国内外に発信されましたので、間違いなく伸びていくと思います。2025年、大阪での関西万博。そこでは国内というよりは訪日外国人のお客さまが間違いなく増えるので、そのお客さまたちが、サミットが開かれた広島へというふうに流れるのはもう間違いない」

『暮らすように泊まれる』部屋

一見すると、マンションのモデルルームのようですが、住宅宿泊事業(民泊)の施設なのです。

YKH 岡本怜史 さん
「ベッドが3つ、ダブルベッド1台、セミダブルベッド2台、ソファーベッドが1台ずつの計8名さまでご宿泊いただけるようなお部屋になっております」

そのほか、冷蔵庫に電子レンジ・洗濯機・ミニキッチン・65型のテレビに空気清浄機、もちろんWi-Fiも完備。まさに「暮らすように泊まれる」部屋となっています。

岡本怜史 さん
「グループでの旅行・女子会、またホームパーティーとさまざまな用途でご宿泊していただいております」

「民泊」とは、戸建住宅やマンションなどを活用して、旅行者に宿泊サービスを提供する事業です。広島市内では、コロナ禍の影響で去年は廃止件数も多く、7月現在、届出住宅数は157件。エリア別では、中区が98件ともっとも多くなっています。申請をみると、個人51.9%、法人48.1%とほぼ同じ割合です。

4年前から民泊事業を始めたという 川西秀大 社長です。

YKH 川西秀大 社長
「2019年の初旬から福岡でまず始めて…」

福岡の賃貸マンションで2室からスタートしました。その後、すぐに広島で展開。

川西秀大 社長
「広島は欧米の方が多いじゃないですか。欧米の方は、家族単位で動かれる方が多いと思うんです。6人ぐらいが動かれるとビジネスホテルだと2部屋に分かれてしまう」

欧米の訪日観光客をターゲットに、現在は、広島市内を中心に18室を稼働しています。広島と福岡、宿泊客の違いはあるのでしょうか?

川西秀大 社長
「全然、違いますね。福岡はアジア圏の方が多い。中国とか台湾・韓国。何をしに来れるかっていうと、やっぱり買い物に来られる。広島に来られるのは欧米の方が多い。欧米の方は、文化とかを見に来られる。平和公園・宮島など文化的な所を見に来られる」

とは言え、コロナ禍の3年間は、厳しい状況が続いたそうです。

川西秀大 社長
「コロナ禍のときは正直、すごくたいへんでした。本格的に動き出したのが、去年の11月に外国人の入国がちょっと緩和され、あれから伸びた。3月(の売り上げ)が、600~700万円くらい。その前の年が70万円」

そして、5月、ゴールデンウイークとG7広島サミット開催で…

「去年の5月が100万円くらい。ことしの5月は1000万円超えました。今からよくなると思うんですよ。3年間、待ちましたから。よくなると思って、ずっと我慢してやってきたので」

現状を聞くと、なんともうらやしい宿泊客も…

川西秀大 社長
「平日とかは外国人の方がかなり多いですね。連泊をされますね。今、フランスの方が泊まられているんですけど、1か月ぐらい、ずっと広島におられます」

そうした中、外国人観光客にもっと広島のよさを知ってもらいたいとアイデアもふくらみます。

川西秀大 社長
「同じ宿泊業者で協力しながら、なんか企画ができたら、外国人の方に向けていいと思います」

それには、情報発信や観光事業者との連携も欠かせないといいます。

YKH 川西秀大 社長
「いろんな業界と協力して、広島の魅力をアピールしていきたい」

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