デイトナ24時間で不正発覚のMSR、アキュラARX-06でのIMSA参戦継続に暗雲か

 現在、アキュラARX-06の1台体制でIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスに参戦しているメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)だが、チームの共同オーナーであるマイク・シャンクによれば、来季以降のIMSA参戦は「未定」であり、「今後4〜5週間で」さらなる事態が判明するという。

 2024年のNTTインディカー・シリーズにトム・ブロンクビストの参戦決定が発表された8月11日、シャンクは、スポーツカーレースにおける来季の計画がまだ確定していないことを認めた。

■「五分五分から、80%まで」で揺れ動く確率

 オハイオ州を拠点とするMSRは2004年以来IMSAの主力チームであるが、アキュラのGTPロスターから外されるのではないかという憶測も飛び交う中、来年の計画はまだ確定していない。

 一方、もう1台のアキュラ使用チームであるウェイン・テイラー・レーシングは、2024年は2台体制へと拡大を予定している。

 インディカーにおけるホンダとの契約延長を確認した以外には、アキュラやHPDホンダ・パフォーマンス・デベロップメントとの将来の契約を認めることはなかったシャンクは、2024年のウェザーテック選手権の展望が不透明であることを認めた。

「我々はまだ、それに取り組んでいるところだ」とシャンクは記者団に語っている。

「いまはまだ、はっきりとしていないんだ」

 今季のMSRは開幕戦のデイトナ24時間で優勝したものの、その後タイヤ空気圧のデータ操作という不正が発覚。これにより200ポイント剥奪のペナルティを受けており、ブロンクビストとコリン・ブラウンは現在GTPポイントランキング5位。彼らは首位から118ポイント差にいるが、計算上はデイトナのペナルティがなければ82ポイント差で選手権をリードしていたことになる。

「厳しい1月を乗り越えて、彼らは再びチャンピオンシップに復帰した。信じられないことだ」とシャンクは語っている。

「それらのポイントを戻すとしたら、彼らはチャンピオンシップをチェックアウトしている」

「(来年については)答えはまだ分からない。 おそらく4~5週間以内に、どのような判断を下すか分かるだろう」

「ロレックス(デイトナ24時間)のチームとして今年で20年目になる。 我々はこれまで3回優勝し、多くの成功を収めてきた。それがすべての始まりだった」

「我々はこの場に残るために、全力を尽くしている」

 なお、カスタマー向けのLMDh車両が用意されるポルシェ963の購入は、シャンクは検討していないとみられる。

 2024年にウェザーテック選手権に参戦する可能性について尋ねると、シャンクは次のように答えた

「確率は分からない。浮遊しているんだ。現在は五分五分から、80%まである状況だ」

「土壇場になっていきているし、あまり好ましくないが、いまはそんな状況だ」

「ジム(・メイヤー。共同オーナー)と私が作り上げたチームは、すべてに打ち勝ち、競争力が高く、200ポイント差から反撃し、再びチャンピオンになるチャンスがある」

「私の考えでは、彼らはスポーツカーレースの頂点レベルにあり、そこが彼らに値する場所だ」

「我々がどこにいるべきかは、誰しも想像がつくだろう」

メイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアンの60号車アキュラARX-06 2023年IMSA第8戦ロード・アメリカ

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