供養、それぞれの形で 岩手県内盆の入り、家族形態や価値観変化

ペットと共に納骨できる墓地。家族形態の変化などによって、県内で供養の形が多様化している

 13日は盆の入り。岩手県内では血縁にとらわれず納骨できたり、ペットと眠れる墓地が開設されるなど供養の形が多様化している。寺院や霊園が遺骨を管理する「永代供養」が広がり、少子高齢化によって家族が墓を継承できない課題に対応できるようになった。家族形態や価値観の変化が背景にあり、海洋散骨を行うケースも。有識者は「故人を思い出す場所があることが大事。葬送の在り方は家族が納得する形で決めてほしい」と話す。

 盛岡市下田の喜雲寺は、骨つぼに入れた遺骨を1区画ずつ分けて納められる個人型と家族型の永代供養塔を境内の墓地に設置している。事実婚や、性的少数者(LGBTQなど)のパートナーら血縁の有無を問わないのが特徴だ。

 家族型の28区画は2018年の開設から2年ほどで埋まり、昨年9月に倍増した。佐々木秀吾(しゅうご)住職(43)は「従来型の墓では不便さを感じる人が増えている」と現代のニーズに対応する。

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