太平洋戦争の記憶つづる 那須塩原市遺族連合会が本作成 平和の尊さ語り継ぐ

「平和への願い」を渡辺市長に手渡す稲垣会長(右)

 【那須塩原】太平洋戦争の記憶を後世に伝えようと、市内の戦没者遺族らで組織する「市遺族連合会」が編集を進めてきた本「平和への願い」が完成し、同会の稲垣重弘(いながきしげひろ)会長(85)がこのほど市役所を訪れ、渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長に贈った。

 本は戦争の悲惨さや平和の尊さを語り継ぐのが目的。戦争を知らない世代に、同じ土地に住む身近な人が戦争で悲惨な体験をしていることを知ってもらおうと、戦没者遺族ら28人が105ページにわたって、戦争で命を落とした家族への思いや終戦後の苦しい生活の話などをつづっている。

 本を受け取った渡辺市長は「戦争を知る人は減っているが、世界では戦争が起きている。平和の重要性を伝えていくことが必要」と話した。稲垣会長は「太平洋戦争後の苦しかった生活を本から読み取り、平和の大切さを感じてもらえればありがたい」と話した。

 同会は市内の各小中学校へも寄贈する意向。660円。(問)稲垣会長0287.36.2724。

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