連覇目指すバルセロナはドロー発進…カード辞さないヘタフェのラフプレーに苦しみハフィーニャ&チャビ監督退場【ラ・リーガ】

[写真:Getty Images]

2023-24シーズンのラ・リーガ開幕節、ヘタフェvsバルセロナが13日にコリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われ、0-0のドローに終わった。

昨シーズンに4シーズンぶりの覇権奪還に成功したバルセロナは、連覇を狙う新シーズンの初陣でヘタフェとアウェイで対戦した。直近に行われたトッテナムとのジョアン・ガンペール杯を4-2で逆転勝利したチャビのチームは、その試合から先発2人を変更。今週に行われた資金調達やパリ・サンジェルマンに移籍したデンベレの移籍金で全選手のトップチーム登録が可能と見られたが、マルコス・アロンソや控えGKペーニャの登録はならず。この試合では昨季の主力にギュンドアンとロメウの新戦力2人が起用された。

最前線のレヴァンドフスキの下に右からハフィーニャ、ペドリ、ギュンドアンを置く変則的な[4-2-3-1]で臨んだバルセロナは、直近3シーズン未勝利且つ無得点で鬼門となりつつある難所攻略を目指して押し込む入りに。

[5-4-1]を基本に状況に応じて6バックも辞さない堅固な守備ブロックを敷く相手に対して、右サイドのハフィーニャの個人技を軸に攻め手を窺うと、16分にはボックス手前の好位置でFKを獲得。これをハフィーニャが直接狙うが、枠の左を捉えたシュートはGKソリアの好守に阻まれる。

中央だけでなくサイドのスペースも徹底的に潰し、球際の局面でもタイトなチェックを見せるヘタフェの割り切ったスタイルに手を焼くバルセロナ。26分にはロメウが見事なボックス付近での仕掛けからロメウの鋭いグラウンダーシュートで久々に決定機を作ると、36分にはクンデのフィードに抜け出したハフィーニャがボックス内に持ち込んで左足シュート。GKソリアがはじき出したボールがミトロビッチに当たってゴールへ向かうが、これは右ポストを叩いた。

前半終盤にかけて徐々に決定機を作れるようになったバルセロナだが、思わぬアクシデントに見舞われる。ダミアン・スアレスを中心に駆け引きと呼ぶにはあまりに悪質なラフプレーによって序盤からフラストレーションを溜めていた中、幾度かその被害に遭っていたハフィーニャが一瞬理性を失ってしまったか、背後への抜け出しを試みた際にDFガストン・アルバレスの側頭部付近に故意にエルボーをかますと、このプレーにレッドカードが掲示された。

この退場によって10人での戦いを強いられることになったバルセロナは、体力が残っているうちにゴールをこじ開けるべく攻勢を強めたものの、数的優位でも大きく戦いを変えないホームチームの守備を前に0-0のスコアのままハーフタイムを迎えた。

迎えた後半、チャビ監督はクリステンセンを下げてエゼ・アブデをハーフタイム明けに投入。フレンキー・デ・ヨングをセンターバックに落とし、右にペドリ、左にアブデを配した[4-4-1]で先制ゴールを目指す。

後半序盤も難しい展開が続くバルセロナだが、アラウホが勇敢な攻め上がりで局面を変えると、前半に1枚カードをもらっていたマタのアフターチャージを誘発。このプレーで2枚目のカードが掲示され、10人対10人の数的同数に。

これで勝ち点3獲得の可能性がより高まると、攻撃のギアを上げていく。70分には背後へ良い形で抜け出したアブデがボックス手前で交錯。しかし、このプレーでファウルは与えられず、激高したチャビ監督は執拗な抗議によってレッドカードを掲示されて退席処分に。

その熱い指揮官の想いに応えたいチームは、75分を過ぎてロメウとギュンドアン、ペドリを下げて16歳の新星ラミン・ヤマル、ガビ、アンス・ファティとカンテラーノ3人をピッチに送り出し、あくまで勝ち点3を奪いに行く。80分にはそのヤマルの右クロスからゴール前にタイミング良く走り込んだファティが右足ダイレクトボレーを狙うが、これを枠に飛ばせない。

その後は昨季王者相手に引き分けやむなしと、割り切って時計を進めるプレーを選択するホームチームに対して、最後までゴール、勝ち点3を目指すバルセロナ。

9分が加えられた後半アディショナルタイムでは機動力に優れる若きアタッカー陣がアタッキングサードまで容易にボールを運ぶが、肝心の崩しの場面で焦りや精度の問題でフィニッシュまで持ち込めず。ほぼラストプレーではボックス内でアラウホがイグレシアスに足裏を蹴られて倒れ込むと、PKの可能性があるとしてオンフィールド・レビューとなったが、その前の競り合いでのガビのハンドを取られて土壇場でのPK獲得とはならず。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、難所コリセウム・アルフォンソ・ペレスでまたしても難しい戦いを強いられた王者バルセロナは開幕ドロースタートとなった。

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