富山市有峰でクマ出没相次ぐ、食料やリュック奪う 12日には人身被害

 12日に登山客がツキノワグマに襲われて軽傷を負った富山市有峰(大山)の現場周辺で、11日から13日にかけて、他にも登山客がクマに食料を取られるなどの被害が5件相次いだ。県が13日、明らかにした。夏はクマにとって食料が乏しいため餌を求めて広い範囲で行動するとし、登山客に注意を促している。

 12日の人身被害は折立登山口付近で発生。30代の男性が朝食中に背後から襲われてかすり傷を負った。

 県によると、11日夕、折立キャンプ場でバーベキューをしていた登山客が接近してきたクマに食料を取られた。同日夜に別の登山客が、折立駐車場で食料を入れたクーラーボックスを取られそうになり、大声を出すとクマは逃げた。

 12日未明、折立臨時駐車場で就寝中の登山客が外からテントを触られ、中から衝撃を加えるとクマは逃げた。同日朝には登山客が折立駐車場でリュックを奪われそうになり、13日朝、折立キャンプ場駐車場の公衆トイレ付近でリュックを持ち去られる被害もあった。

 被害の多発を受け、県などは12日から同キャンプ場を当面閉鎖し、警察と合同でパトロールしたり、山小屋との情報共有を強化したりしている。県自然保護課は登山客に向け「食料やごみは、窓を閉めた車内で匂いが漏れないように保管してほしい」と呼びかける。

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