【WEB限定】気になる夏の旅行費用 最高は1人当たり30万 増えた理由は...  下野新聞社ウェブアンケート

 下野新聞社デジタル報道部が実施した、夏休みの旅行に関するアンケート。新型コロナウイルス禍だった昨年と比べ、旅行に出かける人が増える傾向が見られました。では旅行にかける費用はどのように変わったのでしょうか。ちょっと気になる他人の旅行費用。アンケートから探ってみました。

 交流サイト(SNS)などで7月下旬に募集したアンケートは、169人が回答し、このうち87人が「旅行に行く」と答えました。旅行に行く層には、6問の選択肢から1人当たりの予算額を答えてもらいました。

 ただ中には豪勢な旅行に出かける人も。1人当たりの費用が「10万円以上」とした人は8人いました。年代別では40~70代。最高額は30万円でした。また、コロナ対策に伴う渡航制限がなくなったことなどを理由に、3人が海外に出かけると回答しました。

 5類移行前の旅行費用との比較を尋ねると、「増額」と「横ばい」に2分されました。「増えた」(29人)と「昨年は旅行に行っていない」(13人)を合わせた、実質上の増額は48%。移行前と「変わらない」(42人)と同率です。「減った」は3人にとどまり少数派です。

 アンケートでは、旅行に出かける層の4割が「より遠出するようになった」と答えており、「実質増額」組にもその影響がみられます。「遠出をするようになった」「旅行日数が増えた」という記述が目立ちました。

 「今まで我慢していた分を使うことにした」などの声も。行動制限緩和の影響も背景にありそうです。ただコロナ禍に伴って観光業を下支えした全国旅行支援が終了したため、「費用が増えた」とした回答者もいました。

 費用が「変わらない」層の記述では、「いつも通り」「家族で行くときはこれくらい」などが外部要因に左右されない人が一定数いました。ただ世相に左右される人もおり、「増やしたいが賃金が上がらない上に物価も上がっている」「強いて言うならガソリン高騰による増額」という意見もありました。

 コロナ禍の影響が全くなくなったわけでもなさそうです。一部には「感染対策で個室にしたため、それなりの値段の宿になった」などの意見も。感染者が増加傾向にある中、慎重なプランで旅行する人もいるようです。

 アンケート結果を俯瞰(ふかん)してみると、「旅行需要はやや上向いているが、“イケイケどんどん”とまではいかない」という雰囲気が感じ取れます。下野新聞社デジタル報道部としては、旅行に行っても、行かなくても、費用が増えても増えなくても、読者の皆さまが楽しい夏を過ごせるようお祈りしています。

  ◇    ◇

 お断り 今回のアンケートは、統計的な手法に基づいた世論調査とは異なります。

アンケートでは東北地方が旅行先として人気だった。写真は岩手県の世界遺産「中尊寺金色堂」
アンケートでは東北地方が旅行先として人気だった。写真は宮城県の観光地・松島

© 株式会社下野新聞社