フリーランス・副業ママ必見!税理士が教える「簡単経理・インボイス対策」

経験した働き方といえば、お勤めしかしたことがないママにとって、フリーランスに転身したり、副業を始めることによって、知らない、やらないでは済まされないのが確定申告。

自分では分からないしやりたくないから、税理士にお願いするというのも一つの策ではありますが、税理士にお願いするということは、当然費用がかかります。

フリーランスになったばかりだったり、副業を始めたばかりならなおさら、お金をそこにかけたくないというママは少なくないでしょう。

すでにフリーランスとして活動している人達の調査結果を見ても、確定申告自体が面倒に感じているフリーランスは、約8割と大半を占めます。

そこで今回は、2人の娘を育てるママ税理士、久保佑紀さんに取材!

確定申告の時に慌てなくて済むための、簡単経理についてや、間もなく始まるインボイス対策について教えていただきました。

経理とは

子育て世代において、フリーランスになることは、仕事と育児の両立を実現しやすく、非常に相性のいい働き方です。

しかしながら、継続的な両立を実現するためには、決してオーバーワークになることなく仕事量を変えずに時間を圧縮、つまり効率化が欠かせません。

お金、時間、経営という3つの柱の中で、最も効率化が必要とされるのが時間です。

時間を効率化することで、経営に関する時間を確保することができるため、新たな投資や利益を回していくことに繋がるからです。

時間を効率化する上で、大切にして欲しいこととは、効率的な経理処理をすることです。

そもそも経理とは、経営管理であり、お金と会計、税金を管理すること。

経理によって明確になった数字を指標として、事業の守りを堅め、攻めに活かすことなんです。

経理の流れとしては、おもに“収集”をして“記録”に残し、そこから“経営分析”をするわけですが、多くの人が“収集”と“記録”に時間をかけ過ぎてしまう傾向があります。

実はこれが、時間を効率化できていない原因なんです。

本来時間をかけるべきところは“経営分析”ですので、“収集”と“記録”の効率化をすることに、フリーランスの方や副業をしている方は重点をおいてください。

収集に時間をかけずに効率化するポイント

収集対象とは、請求書や領収書、見積書や納品書です。

これらをまずは、もれなく集めることを徹底してください。

自分ではよく分からないもの(経費の対象の可否)もすべてです。後で、対象になるものと分かっても、証拠となる物がなければ計上できませんので、もれなく、がポイントです。

その際、日付と金額、内容と相手先(理由)が分かるようにしておきましょう。領収書なら、貰った直後は覚えていますが、時間が経つと忘れがちですので、貰った直後に、領収書の裏などにメモをしておいたりするとよいでしょう。

収集したこれらの整理は、最低限でよいというところもポイントです。

例えば、日付順でノートに貼ったりということをする必要はありません。クリアファイルに、月別で集める程度で十分です。

これらの収集物は、過去3年分はすぐに出せるところ、例えばデスク周りに保管しておきましょう。過去7年分は保管が必要ですので、探せばあるところ、例えば家の中においておけば十分です。

記録に時間をかけずに効率化するポイント

記録とは、会計データ(決算書)を作成することです。

エクセルや手書きで作成している方が多くいらっしゃいますが、効率化をするなら自動でネットバンクやクレジットカード、電子マネーを会計処理できる、会計ソフトがおすすめです。

会計ソフトと聞くと、パソコンが必要&パソコンが使えないといけないという風に思われがちですが、例えばスマホアプリ『スマホ会計FinFin』のように、パソコンがなくてもスマホで使える自動化会計ソフトはあります。

それから、効率化を上げるためにも、支払、入金手段は現金は避けましょう。現金は記録が残らないため、効率化を下げてしまいますし、記録の手間を増やしてしまいます。

記録の際には、勘定項目などの判断に時間をかけないために、細かく書かないことも大切です。

記録は最終的に、貸借対照表の残高が合えばOK!確定申告が、とても楽になります。

インボイス制度はどうする?

2023年10月1日以降始まる、インボイス制度。消費税のルールが変更されることにより、いわば消費税の受取が有料パスになります。

インボイス番号を登録しない場合、消費税を受け取れなくなる可能性があり、インボイス番号を登録した場合は、消費税の申告と納税が必須となり、請求書の形式変更が必要になります。

フリーランスになりたてのママだったり、副業をはじめたばかりのママは、自分がどう対応すればいいのか、悩ましい方は多いと思いでしょうが、ひとつの判断となるのが販売先です。

販売先つまりお客さんが一般消費者なら、登録しなくても影響が少ないため見送り、事業者なら、登録を検討してみるのもいいでしょう。

ぜひ参考にしてください。

【取材協力】

※ 税理士 久保佑紀(久保佑紀税理士事務所)
※ 会計バンク 常務取締役 小林紳一
※ コワーキングスペースツナグ(東京都足立区弘道1丁目5-20)
※ 調査概要:2023年6月28日~29日/調査方法:インターネット/調査会社:楽天インサイト調査対象者:フリーランスでお子様がいない全国の20~60代男女(200名)フリーランスで未就学児~大学院生・浪人生のお子様を持つ全国の20代~60代男女(200名)

(ハピママ*/ 空人衣)

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