【台風7号】今後の静岡県内への影響は…1年前には大雨で川が氾濫 浸水被害も【気象予報士解説】

今後の台風7号の進路の予想について、田中健太郎気象予報士の解説です。

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<田中健太郎気象予報士>
強い台風7号は、8月14日午後4時現在、和歌山県の南海上にあります。この先、15日午前3時にはかなり陸地に接近し、その後紀伊半島に上陸する恐れがあります。静岡県に直撃することはなさそうですが、静岡県内でも雨、風ともにこれからピークとなります。

雨の予想です。14日夜遅くにかけて、特に中部、東部、伊豆で活発な雨雲が発生しやすいでしょう。これは台風に向かって、静岡県内には東から湿った空気が流れ込んでくるためです。

さらに15日にかけて、台風が北上するとともに、だんだんと風向きが変わります。東風から南風が吹くようになって、15日の県内は西部、中部の山沿いを中心に活発な雨雲がかかってくるでしょう。

14日夜は静岡県東部で雨が強まりそうなんですが、ちょうど1年前、2022年8月、静岡県松崎町の雲見地区は台風による大雨で太田川が氾濫し、旅館や住宅など約40棟が浸水被害を受けました。

奇しくも同じタイミングで、2023年も台風が接近している雲見地区は、書き入れ時の観光地とは思えない静けさが広がっていました。

<民宿庄兵衛 高橋一成さん>
「台風7号の進路が西にそれたけど、やっぱり心配。キャンセルが出て大変。繁盛期なんでぜひやりたいんですが、もうしょうがないですね、天候に左右されるんで。運が悪いな。2年連続で」

2022年の浸水被害のことを思い出した住民の方もいるかと思います。太田川に面する住宅では、2022年の浸水被害以来、玄関前に土のうを並べ、備えている様子も見られました。

また、雲見海岸では15日、花火大会が予定されていましたが、8月17日への延期を決め、台風への警戒を強めています。

では、この先、警戒が必要な期間を確認します。雨に関しては、16日にかけて大雨警報の出る可能性が高いでしょう。24時間雨量は15日夕方まで多いところで250ミリ。そして、16日夕方までの24時間雨量は、多いところで200ミリから300ミリ、まとまった雨になります。15日にかけては線状降水帯発生の恐れもあります。

そして、暴風警報の出る可能性も、15日にかけて高いでしょう。瞬間的には30m、屋根瓦が飛んでしまうような風の吹くおそれがあります。

高波は最新の予報で7メートル、海は大しけでしょう。高潮警報の出る可能性もあります。大潮の期間だからです。河口付近や沿岸部では浸水にも警戒が必要です。

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