旧アラピア購入は東京の法人SAT 3303万円、目的は不明

地裁高岡支部が行った特別売却で東京の法人が購入した「北陸健康センターアラピア」=1日、高岡市佐野

 2021年8月に経営が行き詰まり閉館した富山県高岡市佐野の温浴施設「北陸健康センターアラピア」の土地と建物について、地裁高岡支部が7月下旬に行った4回目の特別売却で購入した法人は、東京都新宿区の合同会社SAT(業務執行社員・奥田昌之氏)であることが14日、分かった。同支部が同日、売却を許可した。売却価額は3303万2800円。

 法人登記簿によると、SATは20年8月に大阪市北区から本店を移転。貸金業や、各種債権の売買・管理、集金業務、不動産の売買・賃貸、仲介、管理を手がける。ホームページや公表された電話番号はなく、旧アラピアの取得目的は不明。

 地裁高岡支部は22年7月から23年3月にかけ、期間入札と特別売却を3回ずつ実施。1回目は売却基準価額を1億2035万2千円とし、2回目以降は3割ずつ引き下げたが、いずれも不売に終わった。

 民事執行法は、期間入札と特別売却を3回行っても買い手がなく、執行裁判所が売却の見込みがないと判断すれば競売手続きを停止できると規定している。地裁高岡支部は4回目の期間入札と特別売却に踏み切り、売却基準価額を1回目の約3分の1となる4129万1千円に引き下げた。7月12~19日に期間入札を受け付けたが買い手がなく、最初に適法な買い受けを申し出た人に売却する「早い者勝ち」となる特別売却を実施した。

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