気温30度超えが続く今の時期、暑さで食欲がなくなったり、疲れやすくなったりと「夏バテ」に悩んでいる人は多いはず。
食欲がなくなるとついそうめんや冷麺など、さっぱり食べられるものばかりに偏ってしまいがちですが、そうなると余計に夏バテが悪化してしまいます。
夏バテを解消するなら、栄養バランスが整った食事をとることが大切。
そこで今回は、管理栄養士の資格を保有する筆者が、夏バテにおすすめの食材をご紹介します。
疲労回復のビタミンがたっぷり!「豚肉」
夏バテといえば真っ先に豚肉を思い浮かべる人は多いはず。
豚肉には「疲労回復のビタミン」と呼ばれるビタミンB1がたっぷり含まれているんです。部位によっては牛肉の10倍にも!
ビタミンB1は、ごはんや麺などの糖質をエネルギーに変える働きがあります。
糖質とビタミンB1を一緒に摂ることで、暑さに負けない体を作ることができますよ。
反対に、不足すると疲労感や脱力感が増し、夏バテが悪化してしまうので注意が必要です。
ビタミンB1はネギやにんにくの香り成分「アリシン」と相性がよく、一緒に摂ると吸収率がアップ◎。
暑さで食欲がない日は冷しゃぶにして、ネギやにんにく入りのタレをかけて食べるのがおすすめです。
タンパク質&良質な脂で夏バテ知らず!「サバ缶」
食欲が落ちる夏場は、ついついそうめんや冷麺などつるっと食べられるものに偏りがちで、タンパク質が不足してしまいます。
タンパク質が不足すると、筋力や体力が落ちて疲れやすくなってしまいます。
サバ缶にはタンパク質や体の調子を整えるビタミンがたっぷり。
また、サバに含まれる脂は夏バテの原因である「自律神経の乱れ」を整えてくれる働きもあります。
このサバの脂は酸化しやすいのが弱点なのですが、サバ缶は新鮮なうちに密閉して加熱されるので、栄養が失われないんです。
汁にもサバの栄養が流れ出ているので、汁ごと料理に使うのがおすすめです。
最強の疲労回復食!「鶏むね肉」
筋トレやダイエットに励む方に注目されている「鶏むね肉」。
低カロリー&高タンパクなだけでなく、疲労回復効果がある「イミダゾールペプチド」が豊富なんです。
鶏もも肉や豚肉にも含まれているのですが、特に多いのが鶏むね肉。
羽ばたいて長時間飛び続けるために、疲れを防ぐ物質をむね肉の部分に貯め込んでいます。
私たちが疲労を感じる原因は増えすぎた「活性酸素」。
イミダゾールペプチドが活性酸素によるダメージを軽減してくれるので、疲れにくい体を手に入れることができます。
また、鶏むね肉はタンパク質の分解、合成をサポートする「ビタミンB6」もたっぷり。
免疫力アップにも効果的で、夏風邪の予防にも役立ちます。
食べる栄養ドリンク!?「カツオ」
カツオには栄養ドリンクや疲労回復を謳ったサプリメントに使われている、「アスパラギン酸」が含まれています。
アスパラギン酸は、食べたものをエネルギーに変える働きがあり、夏バテ解消に効果的!
また、夏バテの原因となる貧血解消にも役立ちます。
汗は血液から作られているので、血液量が減ると汗をかきづらくなり、体を冷やせなくなってしまうんです。
鉄分は汗とともに流れ出てしまうので、夏場は鉄分の補給も欠かせません。
カツオには血液を作るのに必要な鉄とビタミンB12が豊富で、貧血予防に最適な食品です。
栄養の宝庫!「レバー」
レバーには、ここまで紹介したタンパク質や鉄、ビタミンBなど、夏バテ解消に効果的な栄養素がたっぷり詰まっています。
そのほか、免疫力アップに効果的な「ビタミンA」、脂質をエネルギーに変える「ビタミンB2」も豊富。
レバー50gで、大人が1日に必要とするビタミンAとビタミンB2をまかなうことができます。
また、レバーに含まれる「亜鉛」も夏バテ解消に役立ちます。亜鉛が不足すると貧血になったり、食欲が落ちたりと夏バテの原因に。
亜鉛はビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。
レバーを食べるときはレモンをかけたり、ビタミンCが豊富なニラと合わせて「レバニラ」にして食べたりするのがおすすめです。
野菜の王様「モロヘイヤ」
モロヘイヤは野菜の王様と呼ばれるほど栄養満点!免疫力アップや疲労回復に欠かせないビタミンやミネラルのほとんどを含んでいます。
とくに、抗酸化作用がある「βカロテン」の量は野菜の中でもトップクラス。
その量はなんと、ほうれん草の約2.4倍もあるんです!
またモロヘイヤのネバネバのもとである「ペクチン」は、胃の粘膜を保護してくれたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。
モロヘイヤのつるんとした食感は、食欲が落ちがちな夏でも食べやすく、夏バテ解消にぴったりです。
疲れやすい夏におすすめ!「納豆」
暑くてたまらない夏場は、キッチンで火を使うのがイヤになりますよね。そこでおすすめなのが「納豆」です。
納豆には夏に不足しがちなタンパク質やビタミン、ミネラルがたっぷり。
発酵食品でもあるので、腸内環境を整えてくれる働きもあります。
納豆に含まれる「パントテン酸」は、食べ物をエネルギーに変えたり、ストレスをやわらげたりする効果があり、疲れやすい夏にぴったり。食欲が落ちているときは、大葉やみょうが、ねぎなどを入れると、サッパリと食べられますよ。
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「災害級の暑さ」と言われている今年の夏は、暑さに負けない体を作ることが大切。
食欲がなく、ついそうめんばかりになってしまう人も多いと思いますが、今回ご紹介した夏バテ解消食材を少しずつ取り入れてみましょう。
(ハピママ*/ adacharu)