小学生クラブが初舞台 輪島で三夜踊り 7人の歌声に踊りの輪

三夜踊りを繰り広げる参加者=輪島市マリンタウン

 輪島市の旧盆の風物詩で市無形民俗文化財「三夜(さんや)踊り」は14日、同市マリンタウンで始まった。初日は、地元保存会が今夏創設した小学生クラブの7人が櫓(やぐら)で音頭を取り、祭りの担い手として心意気を示した。児童の元気な歌声とともに、太鼓や笛、三味線の音色が会場を満たし、多くの市民が踊りの輪を広げた。

 7人は、地元の保存会が創設した「三夜おどりクラブ」で学ぶ同市鳳至小の2~5年生。浴衣姿で保存会員と櫓に上がり、「老いも若きも手拍子そろえて」などの歌詞を独特の節回しで堂々と歌い上げた。5年生の川口想(そう)君(10)は「緊張したけど、気持ちが良かった。他の歌詞も覚え、歌えるようになりたい」と充実した表情を見せた。

 保存会は、会員の高齢化と若者が少ないのが悩みの種で、後継者を育成しようと、クラブを結成。参加を希望した児童が、7月から毎週木曜日に保存会員の指導で歌の練習を重ねてきた。今後は楽器や踊りも稽古する。

 三夜踊りは、先祖の霊を慰めるため市民が旧盆に3夜連続で踊りを繰り広げる。昨年は新型コロナ対策で参加を自粛した子どもたちも今年は踊りの輪に加わった。保存会の中島貞雄会長(75)は「伝統を継承するためには、若い世代に興味を持ってもらうことが大事だ」と話した。

櫓の上で音頭を取る児童=輪島市マリンタウン

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