●野田26人、高尾台、野々市23人/野々市市、川北町が急増
●二水も兼六、桜丘は浅野川/今年春、本社調べ
泉丘高をはじめとする主な石川県立高校の2023(令和5)年春の中学校別進学者数が15日までに、北國新聞社の調べで分かった。泉丘高の最多は兼六の33人で、昨年の26人から伸ばしてトップを維持した。野田が26人で昨年と同じく2位となり、金沢市の中心部や南部の中学校が上位に多く入った。昨年に比べて近郊の野々市市、川北町が入学者数を大きく増やした。
中学校別進学者数の調査は泉丘、二水、桜丘、小松、七尾高の進学校を対象に、昨年に続いて集計した。
泉丘高は今春、東大23人、京大27人といずれも県内最多の合格者を輩出し、私立大でも早稲田、慶応に多くが合格したトップの県立高となる。
進学者数の上位10校をみると、3位以下は昨年と比べて変動が激しく、金沢市内の中学校では23人の高尾台が5位から3位に、20人の泉が6位から5位、19人の高岡が26位から6位、16人の浅野川が9位から7位、14人の港が29位から9位にそれぞれ浮上した。一方、昨年3位の紫錦台は8人減の15人で8位に下降した。
兼六の可長(かちょう)俊太校長は「特段変わったことをしているわけではないが、周辺に高校が多く、進学に対する意識が高いのかもしれない」とコメントした。兼六や野田について塾関係者は「親が金大や金大附属病院に勤務する家庭が多いと思われ、教育熱心な傾向がある」と推測する。
卒業生が100人以上いて泉丘高への進学者数が1桁だった金沢の中学校は6校あった。
今年は金沢市外からの入学者が目立ち、とりわけ増やしたのは野々市市と川北町の中学校だ。
野々市市からは、野々市が11人増の23人を送り込んで高尾台と同数の3位、布水が14人で9位に入った。野々市は昨年11位、布水は16位から上位10校にランクインした。
川北町唯一の中学校である川北は昨年の2人から10人に伸ばし、37位から15位に。塾関係者は「両市町は人口が増えている地域で子育て世代が多く、教育に関心が高い」と見立てた。
泉丘高以外では、二水高は昨年3位の兼六が24人でトップ、布水23人が2位、白山市の北星22人が3位と金沢市外の中学校が僅差で迫った。桜丘高は浅野川が25人で昨年同様に1位となり、兼六と長田が24人で並んだ。
●小松は芦城中/七尾は七尾中
小松高は昨年2位だった小松市内の芦城が34人で首位に付き、隣接する能美市の寺井32人、辰口、根上各22人が続いた。
七尾高では七尾36人のトップは変わらず、隣接町の中能登33人が七尾東部29人を抜いて2、3位が入れ替わった。
●アクタスで詳報掲載
20日発売の月刊北國アクタス9月号では、泉丘、二水、桜丘、小松、七尾各高の過去3年間の中学校別進学者数を全て公開する。昨年と比較した順位の変動、各高に入った生徒の比率「進学率」を中学校ごとに算出したデータも加えた詳報を伝える。