故人しのび精霊流し 佐賀市の嘉瀬川

造花やちょうちんで彩られた精霊船を見送る遺族ら=佐賀市久保田町の嘉瀬川

 初盆に故人をしのぶ精霊(しょうろう)流しが15日、佐賀市久保田町の嘉瀬川で行われた。造花や供物で彩られた精霊船が岸を離れると、遺族らは静かに手を合わせて見送っていた。

 今年は佐賀市内外から寄せられた約100隻を流した。昨年夏に父を亡くした角田良彦さん(41)=多久市=は「急な死だったので受け入れるのに時間がかかった。船を流し、ようやく気持ちにひと区切りついた」と語り、静かに川面を見つめていた。

 久保田まちづくり協議会などでつくる実行委員会によると、嘉瀬川の精霊流しは1989年から続く伝統行事。新型コロナウイルスや台風の影響で中止が続いたが、昨年は4年ぶりに再開された。(写真と文・中島克彦)

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