頭が痛い…【天気性頭痛】の症状と安心できる対処法4つ

「頭が痛いけれど、いつものことだし原因はよくわからない…」「すぐに落ち着く頭痛なので、病院に行くまでもない…」

このようにお悩みの方はいませんか?それは、もしかすると天気が原因の「天気性頭痛」かもしれません。

思い当たる方がいましたら、ぜひこの記事を読んでみてください。きっと、あなたにぴったりな解決法が見つかりますよ!

1 天気によって頭痛が生じるのはなぜ?

天気が崩れると、からだの不調を感じる方が多いようです。なかでも頭痛はその代表的な症状のひとつ。

この不調には、自律神経が関係しています。自律神経とは、体温調整・呼吸・血液の循環・消化など、からだを正常に保つために、さまざまな機能をコントロールしている神経のことをいいます。

自律神経は、気温や気圧など天気の変化に影響を受けやすいことがわかっています。

自律神経が天気の変化に過剰に反応すると、機能をコントロールできなくなり、からだの不調があらわれてしまいます。

2 天気性頭痛は、女性がなりやすいって本当?

天気性頭痛は、女性に多くみられます。その理由として、ホルモンバランスの調整に自律神経が関わっていることがあげられます。

女性は月経や閉経のタイミングなどで、ホルモンバランスが大きく変化するなど、自律神経の動きが活発です。そこに、急激な天気の変化が重なることで、さらに自律神経の動きが活発になり、体調不良が起こりやすくなるのです。

3 天気性頭痛の症状

天気性頭痛には、「片頭痛」や「緊張性頭痛」などがあります。それぞれ種類によってメカニズムが違うため、症状が異なります。具体的にみてみましょう。

3-1 片頭痛

頭のこめかみから額にかけてズキズキとうずくような痛みが「片頭痛」の特徴です。

メカニズムはまだ詳しく解明されていませんが、近年の研究では、何らかの原因で血管が拡張し、周りの神経を圧迫して痛みが生じるのではないかとされています。

この血管が拡張してしまう原因のひとつに、天気の変動があります。

気温や湿度、気圧などの急激な変化によって自律神経が乱れてしまうと、体内の水分量の調整がうまくいかなくなります。余分な水分が血液内にたまることで、血管内部に圧が生じて血管が拡張してしまうのです。

また、天気が崩れ低気圧になると、普段からだにかかっている気圧が低くなり、血管が膨張(拡張)してしまう、ともいわれています。梅雨時によくみられる頭痛は、この低気圧が原因であることも考えられます。

3-2 緊張性頭痛

頭全体がぎゅっと締めつけられるような感覚の痛みが「緊張性頭痛」です。首や肩周りの筋肉周辺が収縮することで、頭痛を引き起こします。

緊張性頭痛のメカニズムにも諸説ありますが、天気の変動によって起きる緊張性頭痛は、自律神経が乱れ、血液の循環が悪くなることに原因があるといわれています。血流が低下すると、血流を促そうと筋肉が収縮するためです。

天気の変動以外にも、長時間のパソコンや携帯電話でのメールによる悪姿勢、あるいは精神的ストレスがかかることで血流が悪くなり、緊張性頭痛が起きることもあります。

4 知って安心! 天気性頭痛への対処法4つ

頭痛の原因が天気の場合は、ちょっとした方法で対処することができます。どれも手軽で便利なので、知っておくと安心です。

4-1 お天気アプリを活用する

まずは、気象データとその日の体調を記録することからはじめましょう。

気温や湿度、気圧などの変化が、自分の頭痛とどう関わっているかを知ることが大切です。頭痛の発症パターンがみえてきたら、外出を控えたり薬を準備したりと対策ができます。

最近では、天気性頭痛の予防を目的に作られたアプリも登場しています。

たとえば、天気とからだの不調をグラフで記録できるアプリは、体調の自己管理に利用できます。一定期間の記録をし、かかりつけ医に相談するのもいいでしょう。

ほかにも、気圧変化をアラートで知らせるものや、頭痛に悩むユーザー同士で情報交換ができる機能をもつものもあります。ひとりで悩むのではなく、理解してくれる方と交流するだけでも気持ちが少し楽になるでしょう。

お天気アプリは、種類によって機能がさまざまです。ぜひ自分に合ったアプリをみつけてみてください。

4-2 耳の血行をよくする

耳の奥にある内耳は、自律神経と関係していることがわかっています。内耳には気圧変化を感じとる機能があり、気圧変化は自律神経に影響を与えるからです。

内耳の血行をよくし正常に働かせることで、自律神経を整えて頭痛を緩和させることができます。さらに、日頃から耳の血行をよくするように意識することは、頭痛予防にもつながります。以下のような方法を試してみましょう。

・温める

耳の毛細血管は細くて血流が少なく、冷えやすい部位です。日頃からなるべく耳を冷やさないようにしましょう。とくに冬の寒い日は、耳の後ろ側にホットタオルや温かいペットボトルを当てるといいでしょう。また、イヤーマフや帽子などで防寒対策を心がけることも有効です。

・マッサージをする

両耳をつまんで上下や横に引っ張ったり、つまんだままクルクル回したりします。さらに、耳を上下半分に折り曲げ、左右5秒間ずつキープしてください。

いつでも手軽にできるマッサージなので、日常の隙間時間に試してみましょう。

4-3 お茶やコーヒーを飲む

お茶やコーヒーに含まれるカフェインには、頭痛を和らげる可能性があるといわれています。

カフェインには、脳内血管の収縮作用があり、片頭痛の血管拡張を抑えることができるからです。また、カフェインには血流促進作用もあり、これは緊張性頭痛に効果があります。

ところが、それぞれ、脳内血管の収縮作用は緊張性頭痛の症状を悪化させ、血流促進作用は片頭痛の症状を悪化させてしまうことがあります。

カフェインを飲むときは少量から飲み始め、自分には効果がないとわかったら摂取は控えたほうがいいでしょう。

4-4 漢方薬を飲む

天気性頭痛には、漢方薬もおすすめです。漢方薬はからだの内側からアプローチし、不調の原因を根本から改善します。自然由来の成分でできており、からだに優しく働くので安心です。

天気性頭痛は、気圧や気温によるからだの水分や自律神経のバランスの乱れが原因とされています。天気性頭痛の改善には「水分の循環をよくして頭痛の原因となる脳のむくみを解消する」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。

<頭痛におすすめの漢方薬>

・五苓散(ごれいさん):天気性頭痛の代表薬。体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ない方に。からだにたまった余分な水分を取り除くことで、むくみや二日酔いの頭痛などにも使われます。

・呉茱萸湯(ごしゅゆとう):体力中等度以下で、手足が冷えて肩がこり、ときにみぞおちが膨満する方に。からだを温めて血流を促し、頭痛を緩和します。頭痛に伴う吐き気にも使われます。

・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸がある方に。からだにたまった余分な水分を利尿や発汗などで体外に排出します。耳鳴りなどにも使われます。

漢方薬は比較的安全だといわれていますが、きちんと合ったものでないと十分な効果があらわれないばかりか、副作用が生じてしまうこともあります。

どの漢方薬が適切か見極めるには、専門家のアドバイスに従いましょう。漢方は敷居が高いと感じる方や、近所に漢方薬局や漢方クリニックがないという方には、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。

たとえば、あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービスです。

スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5 痛みは放置しないこと

これまでなんとなく放置してきた症状も、原因がわかり大体の予測がつけば、不安や痛みも少しは軽減されるかもしれません。自分の頭痛は天気が原因だと感じた方は、ぜひお伝えした方法を試してみてください。

天気性頭痛は、一時的なものなので長引かない症状がほとんどです。しかし、痛みが続く場合や、症状が重いと感じる場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師

竹田由子(たけだゆうこ)

共立薬科大学(現 慶応大学)大学院卒、臨床薬学専門。43、47歳で出産した2児の母。病院で10年以上医薬品情報室に従事し、医薬品に関する情報に精通。元漢方・生薬認定薬剤師。

漢方を自身の月経痛や妊活にも活用してきた経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

(mimot.(ミモット)/ あんしん漢方)

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