黒海の臨時回廊に第1便の香港船 ウクライナ出港ボスポラス海峡へ

ウクライナ南部オデッサ州でロシア軍の無人機攻撃により激しく損傷した穀物貯蔵庫=16日(ウクライナ軍提供・ロイター=共同)

 【キーウ共同】ウクライナのクブラコフ副首相兼インフラ相は16日、ロシアが黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意から離脱したことを受け、ウクライナが黒海に独自に設置した臨時回廊を利用する第1便が南部オデッサ港を同日出港し、トルコ・イスタンブールのボスポラス海峡に向かったと発表した。船は香港籍のコンテナ船。ロシアの合意離脱表明から17日で1カ月となる。

 ウクライナ海軍は今月10日、黒海沿いの港に民間商船が出入りする際の臨時航路を設けたと発表。一方ロシアの軍事的脅威や機雷の危険があるとも説明し、コンテナ船が安全に航行できるかどうかは不透明だ。ロシアは合意離脱後の先月19日、黒海北西部と南東部の公海上は時限的な「危険地帯」とすると宣言。黒海周辺の緊張が高まっている。

 香港船はロシアによる侵攻が始まった昨年2月24日の前日からオデッサ港に停泊。3万トン以上の貨物を積みトルコに向かった。臨時回廊は侵攻時点で、オデッサ港などウクライナ南部の港に入港していた船舶が、国外に避難する際に利用し、今年8月8日に運用が始まった。

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