●未明の駐車場の車内
16日午前2時27分ごろ、富山市太郎丸西町2丁目の自動車用品店駐車場で、目出し帽をかぶった男が軽自動車に乗っていた富山県内の40代女性にカッターナイフを突き付けて脅し、現金数万円を奪い逃走した。富山南署は強盗容疑事件として男の行方を追っている。女性が未明の駐車場にいたことや男がタイミング良く現われたことなど不可解な点もあり、署は女性からも詳しく事情を聞いている。
●170センチの痩せ型
署によると、女性が駐車場に車を止めて運転席に座っていたところ、男が無施錠だった助手席のドアを開けて車の中に侵入した。女性にカッターナイフを突き付け「動いたら刺すぞ」と脅した。バッグから現金の入った透明のビニールケースを奪った後、西方向へ走って逃げた。女性はすぐに110番通報した。
男は身長約170センチ、痩せ型、いずれも黒色の目出し帽、タンクトップ、ハーフパンツを着用していた。女性のバッグやカッターナイフなどが車の近くの道路に落ちていた。男が逃げる際に落とした可能性があるとみられる。
●「ドン」、大声聞こえ
同署は女性から事件当時の状況を聞き、現場周辺の防犯カメラの映像を確認し、付近住民への聞き込みを進めている。
現場は富山駅から南へ約3キロの国道41号近くにある自動車用品店の駐車場。近くに住む女性(41)は午前2時すぎ、自宅で寝ていた時に「ドン」という大きな音や大声が聞こえたと振り返る。女性は「物騒で怖い。犯人が早く捕まってほしい。しばらく夜の外出は控える」と不安そうな表情を浮かべた。
近くの飲食店の男性従業員(58)は15日夜に仕事を終えて帰宅した時には駐車場に車は止まっていなかったとし「普段は静かな場所なので驚いている」と話した。
同署は刃物を使用した強盗容疑事件が発生したとして、現場周辺を中心にパトロールを強化し、富山県警のメール配信サービス「安全情報ネット」で住民らに注意を呼び掛けた。富山市教委を通じて市内の全小中学校に施錠の徹底や児童生徒の安全確保に努めるよう求めた。