運転中に熱中症、あわや 富山・総曲輪、事故の80代男性中等症

ユウタウン総曲輪のアーケード内で停止した軽自動車=15日午後6時、富山市総曲輪3丁目

  ●進入禁止の商店街走行 横断歩道、低速で渡る

 15日夕方に軽自動車1台が富山市中心部に位置する総曲輪通り商店街の車両進入禁止のアーケード内を走行し車止めに衝突した事故で、軽自動車が大勢の人が渡る国道41号の横断歩道を走行していたことが16日、分かった。周囲の防犯カメラが捉えていた。運転していた高齢男性が中等症の熱中症だったことも判明。あわや大事故になりかねない状況が明らかになり、関係者からは再発防止対策を求める声も聞かれた。

 軽自動車が走行したのは、片側3車線の国道41号の横断歩道。東側の総曲輪通り商店街と西側の複合商業施設「ユウタウン総曲輪」の通りをつなぐように延びている。

 ユウタウン総曲輪に設置してある防犯カメラの映像によると、軽自動車は総曲輪通り商店街を抜け、停止せずに横断歩道に侵入。速度は人が歩くのと同じくらいのスピードで、大勢の人が車を避けながら歩いていた。車止めに衝突した時には、数メートル前を歩いていた人が驚いた様子で振り返っていた。その後、数メートルほど進み停止した。

 運転していた高齢男性は通行人らに介抱され、富山市内の病院に搬送された。市消防局によると、男性は80代で、医師から中等症の熱中症と診断された。

 総曲輪通り商店街のアーケード内は歩行者の安全を確保するため、人通りの多い午前11時~午後10時は車両通行禁止としている。

 同商店街に面するグランドプラザの管理者によると、通行禁止時間の走行は過去にも何度かある。運転手が標識を見落として狭い路地から商店街に進入するケースが多い。担当者は「これまで大きな事故につながったことはないと思うが、重大な事故が起きてからでは遅い。安全運転意識の向上と再発防止策が必要だ」とした。

国道41号を横切る横断歩道。軽自動車が走行し、車止めに衝突する事故を起こした

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