真夏の直接対決 広島カープ 新井貴浩監督 執念の采配も… 阪神にマジック点灯

首位・阪神との真夏の直接対決。16日夜の2戦目は、新井貴浩 監督の執念の采配が際立つゲームでした。

前日、連敗を6でストップし、阪神のマジック点灯を阻止したカープ。16日夜の阪神先発は、カープ戦4試合でわずか1失点の大竹でした。その “鯉キラー” を相手に1回、1アウトから2番・野間峻祥が、1塁線を破るヒットで出塁。

すると、3番・小園海斗 の打席で野間はスタート。積極的に足を絡ませ、得点圏に進めます。

このチャンスに大竹から今シーズン、12打数6安打と打率5割の4番・西川龍馬 。ストレートをとらえ、2試合連続のタイムリーヒット。カープが先制します。

しかし、6月30日以来の勝ち星を目指した先発の 九里亜蓮 は、直後に追いつかれると、なおも2アウト・3塁・1塁のピンチで1番・近本。ライナー性の打球をライトの野間が捕れません。ランナー2人が生還するなど、この回、4失点…。3点を追いかける展開となります。

それでも、すぐさま反撃のカープ。エラーのランナーを1塁に置き、今シーズン初めてファーストでスタメンの6番・坂倉将吾 。高く上がった打球はぐんぐん伸びてタイムリーツーベースに。2点差に追い上げます。

4対2のまま迎えた中盤の6回、2番・野間がこの日、猛打賞となるヒット。さらに3番・小園が12球を粘り、フォアボールを選びます。

ノーアウト・ランナー2塁・1塁として先制タイムリーの4番・西川。痛烈な打球でしたが、ファースト・大山がファインプレー。1塁ランナーも戻れず、ダブルプレーに…。

しかし、途切れかけた流れを取り返したのは、5番・上本崇司 でした。前日、左手首にデッドボールを受け、痛みとはれが残る中で執念のタイムリーヒット。1点差に迫ります。

すると、「勝負は8月中旬」と語っていた新井監督が思い切った采配に出ます。1点ビハインドにも関わらず、7回には栗林良吏 。2つの三振を奪い、無失点で抑えます。

8回には、“勝利の方程式” の 島内颯太郎 が、27試合ぶりにビハインドの展開でマウンドヘ。満塁のピンチを招くものの、最後は155キロのストレートで見逃し三振。18試合連続無失点とし、虎の背中に食らいつきます。

しかし、執念の継投も阪神の鉄壁リリーフ陣から逆転することはできず、敗れたカープ。自力優勝の可能性がいったんなくなり、阪神にマジックが点灯してしまいました。

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