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種もみ(水稲の種子)を選別するJAとなみ野(砺波市)の新たな施設が9月1日に同市庄川町筏で完成する。最新の設備で選別の精度を高める基幹施設が稼働することで、約270年の歴史があり、県外からの受託生産量が全国一を誇る「種もみ王国」の品質がさらに高まり、ブランド力が強化される。
種もみの選別施設は、庄川稲種センター(砺波市庄川町五ケ)に隣接する旧小学校跡地約3千平方メートルで、同JAが昨年11月から増設工事を進めていた。鉄骨造りで建屋の高さは約30メートルで、延べ床面積は約2780平方メートル。軽量で、汚れや傷みのある種もみを取り除く最新の選別機4基を導入し、年間で3250トンの種もみを選別する。
さらに、既存の施設に種もみを保管する自動ラック倉庫(年間3120トン)や、種もみの消毒施設(同750トン)も備えた。
中野稲種センター(砺波市中野)は大豆と麦を選別する施設として改修し、年間でそれぞれ330トンと300トンを処理する。中野で行っていた種もみの選別や保管、検査は庄川に集約する。
同JAによると、総事業費は25億9722万円で、事業費ベースで過去最大という。富山の種もみは発芽率が高く、品質が良いとの評判で東北から九州まで全国44都府県で使われており、全国の流通量の6割を占めている。同JAはコシヒカリなど約40品種の種もみを生産している。
1日に行われる竣工式には土田英雄JAとなみ野組合長ら関係者や、元農相の野上浩太郎参院議員、橘慶一郎衆院議員、山田俊男参院議員ら来賓が出席し、新たな施設の完成を祝う。
同JAの雄川勉経済部長は、新たな種もみ選別施設について「日本一の種場の基幹施設で、さらに種もみの生産に弾みがつく。より選別の精度を高め、より品質を高めたい」と話した。