沖縄のプロデューサー/ダブ・エンジニア・HARIKUYAMAKUが、ニュー・アルバムをアナログ・リリース!

沖縄コザを拠点に活動するプロデューサー/ダブ・エンジニア、HARIKUYAMAKU(ハリクヤマク)が、7月に配信したシングル「Machagama」を含む8曲入りのフル・アルバム『Mystic Islands Dub』を11月3日の「レコードの日」に発売することが決定した。 このアルバムは、日本コロムビアが保有する約60年前に録音された貴重な沖縄古謡の音源と、自身も所属するコザのライブ・ダブ・バンド、銀天団による生演奏を組み合わせ、HARIKUYAMAKU独自の神秘的でサイケデリックなサウンド・プロダクションでまとめ上げた唯一無二の音楽に仕上がっている。 基になった沖縄古謡の音源は、1965年に発売された16枚組のLP-BOX「沖縄音楽総攬」に収録されたもの。2018年には、音楽プロデューサー・久保田麻琴がこのLP-BOXからセレクト&コンパイルした<かなすシリーズ>が発売されており、久保田に見出されたHARIKUYAMAKUはそこに1曲リミックスで参加している。その久保田麻琴からは次のコメントが寄せられている。

「All the way from Okinawa to Okinawa... Godspeed, HARIKUYAMAKU」(久保田麻琴)

また、ジャケット内に封入されるライナーノーツは、日本民謡と世界各地のトライバル・ダンス・ミュージックに造詣の深い大石始が執筆。以下にその一部を抜粋する。

本作は「沖縄民謡とダブの融合」という一言で片付けることのできない広がりを持つ。近年HARIKUYAMAKUが取り組んでいるアンビエント的な発想も数曲で試みられており、曲によっては南米フォルクローレを再解釈するニコラ・クルースやバリオ・リンドらの作風とも共鳴する響きを聞き取れる。自身の足元にあるものを現代の耳と感覚でどのように捉え直し、新たな創造に結びつけることができるのか。本作もまた、そうした問題意識の先に作り上げられた作品といえる。(大石始)

なお、CDとデジタル配信も同時にリリースされるので、それぞれの音楽スタイルに合わせて楽しんでいただきたい。

▼ダイジェスト試聴動画

https://www.youtube.com/watch?v=R8HRpzxJhu4

アルバム制作にあたってのHARIKUYAMAKUの言葉

二十歳くらいの頃、「沖縄音楽総攬」のCD版を聴いたことで沖縄の音楽の深みを知り、それをきっかけにレコード収集をはじめ、いろいろな沖縄民謡を聴いていきました。

沖縄で作られた民謡のレコードも本当に素晴らしいのですが、良くも悪くも大衆音楽としての“民謡”で、「沖縄音楽総攬」はもっと純粋な土着の雰囲気が最高で “民族音楽”を感じます。これが心に響き、日頃聴き続けてきました。

沖縄で生まれ育った自分にとってとても誇らしく、同時に失われつつあることが寂しいそれらの唄は、自分にとっての宝物であり、今や自分の一部にもなっています。

沖縄がもっと好きになり、文化や歴史などを考えるようになったという意味で、音楽的なところ以外でも深く影響されました。今回これを自分が触れるということは、とても特別で光栄な気持ちです。

自分が経験したように、唄を聴いたことで何かが反応し、昔のこと、今のこと、風土のこと、歴史のこと、なんかそんなことを考えるきっかけになり得るんじゃないかと。そのままだと深すぎてなかなか手を出しにくい唄でも、自分がアレンジを加えることで、多くの人に耳にしてもらい、少しでも聴いた人に影響を与えることができればと思います。

沖縄の人は特にDNAに訴えかけられるはずだし、外国の人にも同じ感覚を持ってもらえると思っています。

【HARIKUYAMAKU(ハリクヤマク)プロフィール】

コザTower of Dubを根城に活動する音楽プロデューサー / ダブ・エンジニア / DJ。ベーシストとして音楽を始め、ロック、ハードコア、幾度もの海外放浪を経由して2012年、沖縄原点回帰のアルバム「島DUB」を発表。その後、Churashima Navigator、Isatooment、angama、銀天団といったバンドでも活動しながらそれぞれでリリースを重ねた。2018年、HARIKUYAMAKUとしては久々に「Kanasu Remixes」を久保田麻琴とスプリットでリリース。2019年からは唄者稲嶺幸乃との製作、ライブを開始し、「大島ヤンゴー節」を7'レコード / 配信リリース。2020年、chill mountain recよりEP「Genshikyo」、自身の配信サイトBandcampより初のアンビエント作品「Subtropica」をリリースした。2021年には2nd 7inch「SulukillKuichar」、「CHOUJI feat ネーネーズ - No Woman No Cry」を7inch / 配信でリリース。ODODOAFROBEATのDUBMIX、自身のDUB集「島DUBPLATE for Tokyo 2021」をリリース。2023年にはWOWOW製作のテレビドラマ「フェンス」の音楽を担当した。最近では全国各地からライブやDJの依頼がかかり、海外の媒体でも取り上げられている。

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