今季無敗の福井ユナイテッドFC。キャプテンが千葉和彦と「ジャンクSPORTS」に出演したワケ

2022年の北信越フットボールリーグでは優勝を逃してしまった福井ユナイテッドFC。さらにJFL昇格の権利をかけて挑んだ全国社会人サッカー選手権大会では初戦でラランジャ京都相手に敗北し、シーズンを不本意な形で終えた。

今季に向けては藤吉信次監督を続投させる一方、杉本拓也や大石治寿、押谷祐樹らJリーグでの経験が豊富な選手を獲得し、若手とベテランがバランスよく散らばったチームを構成した。

そしてスタートした2023年のシーズンは、10試合を終えて7勝3分と無敗。失点もわずか5という成績で、昨年を超える勝負強さを見せている。

一方で全国社会人サッカー選手権大会の北信越予選ではNUHW FC(新潟医療福祉大学サッカー部)にまさかの敗北を喫したものの、リーグでは昨年よりも向上を示しているように見える。

チームを率いる藤吉信次監督は、「昨年とのチームの違い」について以下のように答えていた。

藤吉信次

「内容は去年も良かったんですけど、結果がついてこないところがあった。そういう点では勝負強さもついてきたし、順調に来ていると思います。

全社(全国社会人サッカー選手権大会)の予選で敗れてしまった。PK戦とはいえ、落とせないところを落とした。JFLに繋がる2つのチャンスのうち、1つが消えた。

これでまさに土俵際に追い込まれたというか、リーグで勝たなければいけないという『やるべきこと』が固まった。負けてよかったとは決して言えないですが、精神的な面では目標が固まった部分はありますね。

上のリーグでやっていた経験豊富な選手も今年多く加わりました。彼らは修羅場をくぐってきた存在ですが、決して偉そうに物事をやらない。彼らがみんなと一緒に戦って上を目指してくれている。それに若手もついてきているので、いいチームに仕上がっています。

周りから見れば、サウルコス福井時代からずっと優勝しているように見えている。ただ実際は怖いチームがとても多くて、新潟医療福祉大学、富山新庄クラブ、アルティスタ浅間、JSCと、実際はなかなか簡単に勝てない。

全体的にレベルは上がってきているし、色々なチームにJリーグでやっていた選手が降りてきている。本当に侮れないリーグになっていると思いますが、メンタルを強く持って戦っていきたいですね」

また、キャプテンを務めている38歳のベテランDF尾崎瑛一郎も、チームの変化について以下のように話している。

尾崎瑛一郎

「去年からで言えば、積み上げてきている部分が多いと思います。質の部分、攻守の切り替えの部分。もちろんそこはコーチや監督が求めているところなので、もっと高いレベルのところまでやらなければいけない。

昨年よりは失点が少なくなっている部分もあります。守備、そしてGKのスギ(大杉拓也)もものすごく貢献してくれていますが、前線も含めて全体的にディフェンスの意識が高い。

(ベテランが増えたことで尾崎選手の負担も減ったのでは?)それが、意外とそうでもないんですよ(笑)。

押谷に大石、スギと3人ともキャラも性格も違いますけど、僕よりもすごい経験をしている選手たちです。若い選手に刺激を与えてくれている状態ですし、間に入って話してくれたりもします。

そういう気楽に接することができる部分がね、僕とは違うものがあってすごくいいなと思っています(笑)。

ただそれだけではダメで、締めなきゃいけないところはちゃんと締めていく。達成しなければいけない目標があるなら、甘さや緩さ、現状で満足するという気持ちはいけない。そういう厳しさについては僕が出せればいいなと思っています(笑)」

開幕前の新体制発表会では、押谷祐樹が「尾崎さんが怖いと聞いている」と話して話題になった。

尾崎瑛一郎と他のベテラン選手の個性がうまく融合することで、若手も含めたいい雰囲気が作れているのかもしれない。

なお、福井ユナイテッドといえば先日放送された人気番組「ジャンクSPORTS」に尾崎瑛一郎が出演したことで大きな話題に。

尾崎瑛一郎は「ジャンクSPORTS」のMCであるダウンタウン浜田雅功氏と同じ日生学園高の出身。どんなキッカケで出演に至ったのか、以下のように話していた。

尾崎瑛一郎

「僕は浜田さんの高校の後輩なんですけど、Jリーガーは多分二人しか出ていないんですよ。自分と、まだアルビレックス新潟で現役を続けている千葉和彦と。

千葉がもともとジャンクSPORTSに出演していたので、その中でもしかしたらみなさんが探し出してくれたんじゃないですか、こんなやつがいるぞと(笑)。ありがたいなと思いますし、ご縁ですよね。

僕自身、プロになったときに『どこかのタイミングで浜田さんに会えるチャンスがあるかもしれない』とは思っていたので、念願が叶って嬉しかったですね。

なんというか、初めて日生学園出身で良かったなと思ったかもしれない(笑)。

福井ユナイテッドのアピールにもなりましたし、ユニフォームも着させていただきました。全国放送でお話させて貰える機会はなかなかないので、また呼んでもらえるように頑張ります」

福井ユナイテッドFCは現在10試合を終えて勝ち点24を獲得し、北信越フットボールリーグの首位に立っている。目標のJFL昇格に向けては優勝がマストであり、残り4試合はクラブにとってとても重要なものとなる。

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次の試合は8月20日の午後1時、本拠地テクノポート福井で行われるアンテロープ塩尻戦である。

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