池に大繁殖して問題に・・・アメリカザリガニ駆除作戦! 子どもの力を借りて「ザリガニ釣り」(静岡市)

生態系を崩すほどの強い繁殖力が問題となっている外来種の「アメリカザリガニ」を子どもたちの力を借りて駆除しようというイベントが8月、静岡市で開催されました。

イベントが開催されたのは、静岡市葵区の「あさはた緑地」

きれいな小川が流れ、豊かな自然と触れ合える人気の公園です。この日は、地元の自治会などが企画した夏祭りが開催されました。そんな中、たくさんの子どもたちで賑わいをみせるエリアが・・・

「ザリガニ釣り」です。

子どもたちが釣っているのは「アメリカザリガニ」

繁殖力が強く、在来種の生態系などに害を及ぼす可能性があるとして2023年6月、国の「条件付特定外来生物」に指定されました。家庭で飼育はできますが、販売や野外に放すことが禁止となったのです。

実は「あさはた緑地」の池には、アメリカザリガニが大繁殖して問題になっています。

(あさはた緑地 木下聡 園長)

「他の生き物に比べて、ものすごく繫殖力が強いと感じる。園内の水があるところだと、どこを見ても小さいものから大きいものまでいる」

他の生き物が食べられたり、水草などが荒らされてしまう被害も出るように・・・

そこで考えたのが、子どもたちの力を借りる駆除作戦「ザリガニ釣り」です。

この日は夏祭り開催に合わせて、釣り竿とエサが無料で貸し出され、約50人の子どもが参加しました。たくさんのザリガニを釣り上げようと真剣な表情・・・竿に力がこもります。

(参加した子ども)

「おー!釣れた釣れた!」

見事、アメリカザリガニを釣りあげました。釣った後はザリガニをじっくり観察。さらに勢いづいたのか・・・

(参加した子ども)

「ママ見て!」

2匹同時に釣れる場面も!釣れたザリガニは、規制により池に戻すことができないため、園のスタッフが回収し、まとめて駆除します。この日の「ザリガニ釣り」では、約300匹のザリガニを捕獲しました。

この駆除作戦は、あさはた緑地のスタッフらが生態系保全の一環として企画し、2021年の11月からスタート。普段から200円で竿とエサの貸し出しをしていて、1か月で約3400匹の駆除に成功しているといいます。

(あさはた緑地 木下聡 園長)

「多い日は500~600匹釣って持ってくることがある。守ってあげないと増えていかない弱い種類(の生物)もいる。強い種類を抑制することで、弱い種類も多様に育まれるような環境を維持する。竿を貸し出す時には、遊びだけでなく、そうしたことも知る機会にしてもらっている」

あさはた緑地では、今後も来園者に生態系保全の重要性を伝えるイベントを実施していくということです。

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