葵ちゃん、心臓移植無事終える 佐藤さん(青森市出身)次女 米病院で手術、経過は順調

心臓移植手術を終え、ICUで過ごす葵ちゃん(救う会提供)=16日撮影

 青森市出身の佐藤昭一郎さん(42)の次女で、重い心臓病「重症心不全」の治療に向け3月に渡米した葵(あおい)ちゃん(1)が、現地の病院で心臓移植手術を受けたと18日、支援団体の「あおちゃんを救う会」が明らかにした。手術は無事終了し、術後の経過は順調という。

 昭一郎さん、清香さん(38)夫妻は救う会を通じて「まずはじめに、葵に命を与えてくださいましたドナーのお子様のご冥福を心よりお祈りいたします。そして深い悲しみの中、ご決断くださったご家族の皆様へ、深く感謝申し上げます」「家族全員が、本当に多くの皆様に支えていただき、励まされてまいりました。皆様の力で渡米をかなえていただき、命をつなぐための手術を迎えることができました。改めて御礼申し上げます」とメッセージを寄せた。

 救う会によると、米国現地時間の11日、臓器移植のあっせんを行う米国の団体(UNOS)から連絡を受けたコロンビア大学病院(ニューヨーク市)の心臓移植チームが、葵ちゃんへの移植適合を確認した後、両親の同意を得て手術の準備に入った。12日午前10時に心臓移植手術が始まり、6時間後に終了した。

 葵ちゃんは集中治療室(ICU)で回復を待っており、体調が落ち着き次第、一般病棟に移る予定。術後3週間程度で退院する見込みで、退院後は週に2~3回通院しながら半年ほど経過を観察するという。

 葵ちゃんは出生直後に先天性心疾患との診断を受け、国内で4度手術を受けたものの、心臓のポンプ機能が低下し必要な血液を送り出せない重症心不全となった。助かるためには心臓移植手術が必要とされたが、国内では若年層の臓器提供数が極端に少ない。救う会が2022年に渡米や手術の費用を募ったところ、目標に掲げた5億3千万円が1カ月で集まった。

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