新キャンパス披露 金沢美大、創作拠点美しく

開放感にあふれた金沢美大新キャンパスのメインエントランス=19日午前11時半、金沢市小立野2丁目

  ●移転地で内覧会

 金沢美大新キャンパスの内覧会は19日、移転建設地の金沢市小立野2丁目で開かれた。「開かれた美の探求と創造のコミュニティ」をコンセプトに、学生が自由に作品作りに没頭できるスペースや、専門領域の垣根を越えて交流できる施設を備えた。10月1日に利用を開始する。

 新キャンパスの延べ床面積は小立野5丁目の現校舎の約1.3倍となる約3万7400平方メートル。石川県立図書館と同じく金大工学部跡地に移転され、2021年1月から建設工事が進められた。工事費は約150億円となる。

 キャンパスには地上3階、地下1階の校舎のほか、中央には学生が集中して創作できるコミュニティー空間「創作の庭」を配置。専門分野の枠を超えて利用できる「共通工房」を庭に面してリング状に設け、より効率的な制作環境を実現した。作品を展示する「アートコモンズ」を施設内の随所に設置し、市民も芸術鑑賞を楽しめるようにした。

 共通工房には、高さ6.5メートル、幅9メートルの大スタジオを含む三つの撮影スタジオを用意した。大学のメインストリートに当たる「アートプロムナード」の一部にはガラス屋根を設け、雨や雪の多い気候でも活動できる空間を生み出した。

 竣工(しゅんこう)式は20日に行われる。27日午前9時~正午に一般向けの内覧会が実施される。当日受け付けで、事前の申し込みは必要ない。

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