城東小児童、ギネス記録まであと一歩/弘前

ギネス記録に挑戦する児童たち

 青森県弘前市の城東小学校の6年生8人が18日、同校で、スプーンを使ったピンポン球リレーで1分間に何回パスできたかのギネス世界記録に挑戦した。全国の出場チームの中で最も世界記録に迫ったが惜しくも樹立はならなかった。その代わり小学校最後の夏休みに、仲間たちとかけがえのない思い出をつくった。

 ギネスへの挑戦は、全国の児童館を支援する一般財団法人児童健全育成推進財団が企画したイベント。城東児童館に通っている児童8人がチーム「だんご8兄弟」を結成し、全国各地の75の児童館に通う子どもたちとともに記録に挑んだ。

 8兄弟は予選会で1位になり、上位3チームによる記録挑戦会への出場権を獲得。そこでもトップになったが、記録認定される「40回以上」に届かなかったため再度チャレンジとなった。

 残り1回の機会を前に世界記録樹立へ意気込む8兄弟。「スタート」のかけ声とともに慎重ながらもリズム良くパスを回し始めた。「ゆっくり、ゆっくり」と声を掛け合い、最後まで集中力を切らすことはなかったが記録は36回にとどまった。8兄弟は緊張から解き放たれたからか、晴れやかな表情を見せた。

 7月中旬から時間を見つけては児童館に集まり、練習を繰り返してきた。球を動かさないように渡す方法や、身長差を考えた並び順も編み出した。挑戦が終わり、小田桐雅美(みやび)さんは「緊張したが、8人で挑戦できて楽しかった」と笑顔。リーダーとしてチームをまとめてきた村井劉磨(りゅうま)君は「失敗しても声を掛け合って気分を高めた。協力し合って一つのことに取り組む楽しさを知った」と仲間に感謝した。

 挑戦を児童たちに勧めた同児童館の古山剛弘(たけひろ)主任児童厚生員は「練習でも出したことのない記録を出し、子どもたちの底力を見ることができた」とうれしそうに話した。

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