郷司さんが冊子「くにさきの野鳥記録」作製 半世紀にわたる観察データなど掲載【大分県】

冊子「くにさきの野鳥記録」を発行した郷司信義さん。表紙には今でも一番好きというヤマセミを載せた=国東市
冊子「くにさきの野鳥記録」(右)と、郷司信義さんが発行に携わった会報誌や撮影した写真

 【国東】国東市国東町浜の元小学校長、郷司信義さん(81)は、冊子「くにさきの野鳥記録」を作った。半世紀にわたって国東市と姫島村で集めてきた観察データなどを掲載。「地域に生息する多くの野鳥の魅力を知ってほしい。保護の意識が高まるきっかけにもなれば」と話している。

 A4判・44ページ。国東市と姫島村に生息する野鳥の紹介に始まり、地域別の個体数や確認場所といった観察データを表にして載せている。

 希少な鳥の鳴き声や子育てなどの生態も併記。バードウオッチングに役立てることができる。

 郷司さんは約50年前、野鳥の観察を始めた。小学校への通勤途中に見つけたヤマセミの美しさに目を奪われ、魅力に取りつかれたという。

 妻の紀代さん(故人)と夫婦で県野鳥友の会に入会。探鳥会や調査を企画し、冊子や会報誌の発行に携わった。「鳥を見ると四季の移ろいを感じられる」と、野鳥を通して自然の大切さを啓発する活動にも従事。現在は観察会を定期的に開いている。

 国東の野鳥と自然を守りたい思いもあり、今回は個人的に冊子をまとめた。

 郷司さんは「餌をまいて鳥を誘ったり、入ってはいけない場所で撮影したりするなどの行為が目立つ。外来種を放つ人もおり、マナーを守って観察してほしい」と呼びかけている。

 冊子は100部を発行。冊子や観察会の問い合わせは郷司さん(0978.77.0213)。

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