光星 4強届かず/土浦日大(茨城)に2-9/全国高校野球

土浦日大(茨城)との準々決勝に敗れ、肩を落としてベンチ前に整列する八学光星ナイン=19日午後、甲子園
2度のけがを乗り越え、甲子園のマウンドに立った八学光星の越智

 第105回全国高校野球選手権は第12日の19日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝を行った。青森県代表の八戸学院光星は土浦日大(茨城)に2-9で敗れ、3季連続の準優勝を果たした2012年以来、11年ぶりの4強入りはならなかった。

 八学光星は3点を追う四回、6番新城の内野ゴロで1点、五回も3番中澤恒の内野ゴロの間に1点を返した。終盤にかけて逆転を狙った八学光星だったが、六回に長短打4本と2四球で大量5失点。強力打線も六回以降はわずか2安打と沈黙し、反撃の機会をつくれず力尽きた。

▼2度のけが克服、夢のマウンド/リリーフの越智

 大観衆の声援を受け初めて立った甲子園のマウンドは格別だった。19日の準々決勝、3番手で登板した八戸学院光星の越智琉介(3年)は、2度のけがを乗り越えてつかんだ夢の舞台だった。

 中学2年時、腰椎分離症に悩まされた越智は、高校1年と2年の冬に腰を疲労骨折した。骨折するたびに3~4カ月の治療が必要となり、練習では球拾いなど選手を支える役割しかできず、「周りに置いていかれる」と焦る日々を送った。

 八学光星では中堅手としてプレーを続けたが、練習で打撃投手をした際、チームメートが越智のボールを打ちあぐねた。仲井監督から「やってみろ」という言葉をもらい、2年の冬に投手へコンバート。最速134キロと「球速はない」と話すが、変化球を持ち味とする左腕に急成長を遂げた。

 準々決勝では2番手の後輩・岡本琉奨(2年)の不調を感じ取った。「次は自分だ。悪い流れを変える」。だが九回に痛恨の本塁打を浴びた。「球場の雰囲気にのまれてしまった。2イニングの登板だったが流れを変えることができず悔しい」と越智。しかし試合後は「背番号をつかんで甲子園のマウンドで投げたことは奇跡だと思う。楽しかった」と言い切った。

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