25年ぶり夏巡業で満員御礼 大相撲小山場所 横綱も土俵入り

土俵入りする横綱照ノ富士

 【小山】1998年以来25年ぶりとなる「夏巡業 大相撲小山場所」(同実行委員会主催)が20日、外城(とじょう)の県南体育館で開かれた。横綱や大関などをはじめとする力士や巡業関係者ら186人が集結。会場は約3600人の来場者で満員御礼となり、人々は迫力ある取組や公開稽古、力士との記念撮影などを心ゆくまで楽しんだ。

 午前9時に開場すると、待ちわびた県内外からの来場者が続々と入場。公開稽古に参加する力士に写真やサインを求めるなど、巡業ならではの和やかな交流が行われた。力士への質問コーナーでは、子どもたちが力士になろうと思ったきっかけや、巡業で楽しみにしていることなど、さまざまな質問を投げかけた。

 取組は幕内をはじめ計51番行い、午後2時ごろに始まった幕内の取組では、力士同士の激しい当たりや豪快な決まり手に、来場者は驚きの声を上げた。横綱照ノ富士(てるのふじ)が土俵入りすると、歓声と拍手が一層増した。大関同士による結びの一番は、霧島(きりしま)が寄り切りで貴景勝(たかけいしょう)を制し、会場は最後まで熱気に包まれた。

 暁3丁目、会社員藤井良介(ふじいりょうすけ)さん(44)は「生で観戦するとやっぱり迫力が違った。巡業ならではの相撲甚句や初っ切りが面白かった」、長男の良真(よしまさ)ちゃん(4)は「お相撲さんはすごく大きかった」と満足そうに話した。

 実行委の安藤大平(あんどうたいへい)会長(57)は「新型コロナウイルス禍が落ち着き、力士と触れ合える機会が戻ってきたのは非常にうれしい」と頬を緩めた。

観客を魅了した迫力ある取組

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