ジブリ作品などで活躍 アニメ映画美術家・山本二三さん死去 70歳 長崎県五島市出身

当時のアトリエで作品への思いを語る山本さん=2013年3月、東京都内

 映画「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」など数多くの名作アニメ作品で美術監督として背景画を手がけたアニメーション映画美術家の山本二三(やまもと・にぞう)氏が19日午後1時28分、胃がんのため埼玉県飯能市の自宅で死去した。70歳。長崎県五島市出身。葬儀・告別式は27日午前11時から埼玉県飯能市飯能948の3、広域飯能斎場で。喪主は長男鷹生(たかお)氏。
 福江市(現五島市)生まれ。中学卒業までを過ごした。24歳でNHKのテレビシリーズ「未来少年コナン」で美術監督に抜てきされて以来、映画「火垂るの墓」「時をかける少女」など数々の名作アニメ作品で背景画を手がけ、高い評価を受けてきた。空や雲、自然の描写に定評があり、質量感に富む迫真の雲は「二三雲」と呼ばれている。
 2018年7月には福江武家屋敷通りにある市の有形文化財「松園邸」を改修し、作品を集めた美術館「山本二三美術館」がオープン。21年1月には、ライフワークとして五島列島の自然や人々の暮らしの風景を丁寧に描いた作品群「五島百景」全100点を約10年かけて完成させた。

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