「五車別れ」復活、格別の一献 田名部まつり(青森・むつ市)閉幕

5台の山車が集まり、来夏の再会を誓った「五車別れ」=20日午後11時16分
5台の山車が集まり、田名部まつりのフィナーレを飾った「五車別れ」=20日午後11時16分

 青森県むつ市で開かれていた下北地方最大の夏祭り「田名部まつり」は20日夜、閉幕した。豪川(ごうせん)組(横迎町)、義勇(ぎゆう)組(小川町)、共進(きょうしん)組(柳町)、明盛(みょうせい)組(本町・田名部町)、新盛(しんせい)組(新町)の山車が集まる「五車別れ」が4年ぶりに行われ、各組の関係者らが行く夏を惜しみつつ、来夏の再会を誓った。

 田名部神社での例祭後、露払いとして5台の山車が運行を開始し、神輿(みこし)が続いた。蒸し暑く、時折強い日差しも照りつけたが、休憩を挟みながら約8時間かけて田名部五町を回った。日が沈むと、山車は夜間用の飾りを付けて点灯、はやしも軽快な調子に変わり、華やかな雰囲気となった。

 午後11時過ぎ、各町内に戻る山車が田名部神社近くの交差点に集結すると、熱気は最高潮に。多くの観客が取り囲む中、各組の組頭や役員、神社関係者が笛の合図で次々と酒を酌み交わした。山車は名残惜しそうにはやしを響かせながら各町内に帰っていった。

 同市の竹山節子さん(70)は「コロナ禍前のまつりをまた見ることができて感動した。みんな張り切って楽しそうにヤマ(山車)を引っ張っていて、とてもよかった」と話した。

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