第18回全国高校生短歌大会「短歌甲子園2023」(同実行委員会主催)は20日、盛岡市の盛岡劇場で団体戦の決勝を行い、青森明の星が八戸西との青森県勢対決を制して初優勝を飾った。個人戦は、青森明の星の船橋拓実さん(1年)が題「曲」の作品で決勝に進出したが、上位2作品の優秀作品には選ばれなかった。
大会には全国から21校が参加。団体戦は1チーム3人で先鋒(せんぽう)、中堅、大将戦を行い、先に2勝したチームが勝ち上がる方式で、5人の審査員のポイント数で勝敗を競った。
青森明の星は船橋さん、豊川夏蓮(かれん)さん(2年)、棟方悠月(ゆづき)さん(同)の3人で臨み、19日の1次リーグを2連勝で突破。決勝トーナメント1回戦は結城第二(茨城)を2-1、準決勝は星野(埼玉)を3-0で破り、優勝経験のある八戸西との決勝に進んだ。
決勝の題は「呼」。青森明の星はいずれも相手を上回り、3-0で勝利した。
初の栄冠に、豊川さんは「最高にうれしい。自分がどんな短歌を詠むのが得意なのか、毎日の題詠の練習から把握できるように大会までやってきた」、棟方さんも「精いっぱいやり切ることができて良かった。個性があり、頼りにもなるメンバーだった」と笑顔。
船橋さんは「頼りがいのある先生や先輩方に支えてもらった。他校のレベルの高さを痛感し、自分はまだまだ未熟だなと改めて思った」と向上心を口にした。
八戸西はいずれも初出場の3人で臨んだ。2021年の第16回大会以来となる2度目の頂点にあと一歩届かなかったが、「力は出し切った」と納得の様子。奥銀次郎さん(2年)は「チームとして力を発揮しての2位は大きい。来年はもっと成長して優勝したい」、作山優斗さん(1年)は「短歌を始めて3カ月で全国大会に出られてうれしかった。レベルが高かったし、比喩の使い方が勉強になった」、髙畑道磨(とうま)さん(同)も「決勝まで行けたのは奇跡に近いが、自信になる。練習の成果が出て良かった」と、前向きに振り返った。