首位追う広島カープ 4位・巨人と週末3連戦 末包昇大 連日のお立ち台 新たな1・2・3番&思い切った継投陣も奏功

レギュラーシーズンは残り4分の1を切り、首位・阪神とのゲーム差はもちろんですが、Aクラスを争う3位以下のチームとの差も気になります。週末、広島カープは、地元で4位・巨人との3連戦でした。

8月18日(金)

2位・カープとは4.5ゲーム差の4位・巨人。初戦は、床田寛樹らと並びセ・リーグトップの10勝を挙げている戸郷が相手でした。

3回ウラ、カープが試合を動かします。2アウト・2塁で1番・菊池涼介 。大きくはねた打球は、サードの頭を超えました。菊池の今月初のタイムリーでカープが先制します。

このあと、1点を追加し、なおもランナー2塁で今シーズン初の3番起用・西川龍馬 。戸郷のスライダーを「これぞ、西川」という巧みなバッティングでとらえ、タイムリー。この回、2アウトから3点を奪います。

カープの先発は、6月の巨人戦で今シーズン初勝利を挙げている 森翔平 。ライト・野間峻祥 の好プレーもあり、巨人打線を4回まで無失点に押さえます。

しかし、勝利投手の権利のかかる5回、巨人の18歳・ドラ1ルーキーの 浅野翔吾 にプロ初ホームランを許し、1点差に迫られます。それでもリード保ってマウンドを後に託しました。

しかし、4対2で迎えた8回、6月下旬から18試合連続で無失点だった 島内颯太郎 がつかまり、同点に追いつかれます。

9回には、守護神・矢崎拓也 が、4番・岡本に決勝タイムリーを浴び、カード初戦は痛恨の逆転負け。4位・巨人とは3.5ゲーム、3位・DeNAには2ゲーム差に迫られました。

8月19日(土)

土曜日の試合前、クローザーとしてチームを支えてきた 矢崎拓也 が登録抹消…。勝利の方程式が揺らぎ、「長いイニングを投げたい」と決意をもって 森下暢仁 は、マウンドに上がりました。

その立ち上がり、先頭・梶谷の当たりを今シーズン初めてセンターについた 野間峻祥がファインプレー。前回登板で立ち上がりに5連打を許し、黒星を喫した森下をまずは守備で援護します。

打線の援護は2回、2塁・1塁のチャンスで11試合ぶりにスタメンに起用された8番・末包昇大 。8月は、16打席ノーヒット。「こんな状態でも使ってもらったので、結果を出せてよかった」と先制のタイムリー。ベース上で安どの表情を浮かべます。

5回には、森下が2ベースを放ったあとのチャンスでおよそ2か月ぶりに1番の野間。センターへ抜ける当たりで森下が生還。その後も打線がつながり、4点のリードを奪います。

さらに6回、先頭は巨人戦に強いデビッドソン。ライナー性の当たりはあっという間にレフトスタンドへ。13本中、巨人戦で7本目となるソロホームランとなりました。

さらに先制タイムリーの8番・末包。前日に首脳陣から「打ちにいくときに力が入って、ブレている」との指摘を受け、フォームを修正した成果が今度はホームランに。3号ソロで点差を6点に広げます。

1か月ぶりの勝利を目指した森下は、7回まで無失点ピッチング。8回に3ランを浴びますが、真夏の広島で120球の熱投を見せます。

3点リードの9回は、7月27日以来のセーブシチュエーションとなった 栗林良吏 。「矢崎さんが戻ってくるまで情けない姿は見せられない」と、ランナーを1人も出すことなく、10セーブ目をマーク。野手陣も持ち味を出し切ったカープが、前日のうっぷんを晴らしました。

広島カープ 森下暢仁 投手
「きょう、末包さんが『ホームラン打つ』と言っていたので、そのおかげです。ありがとうございます。きょうは自分の(打席)前で『ホームラン打ってください!』と言ったら本当に打ったので、また打ってもらいましょう」

8月20日(日)

3連戦の勝ち越しをかけた20日(日)。先頭・野間峻祥 が、フォアボールで出ると、2番・矢野雅哉 は、手堅く送りバント。3番・菊池は、粘りながら11球目をとらえてレフト前へ。2試合続けて固定された1・2・3番が、3塁・1塁のチャンスを作ります。

新たな上位打線がお膳立てして4番の 西川龍馬 。「先輩方がチャンスを作ってくれたので、最低限の仕事ができてよかったです」と犠牲フライで先制します。

さらに2アウト・1塁で7月1日以来の5番・デビッドソン。追い込まれながらも手応え十分。ごますりポーズをベンチに見せながら走ると、打球はバックスクリーンへ。巨人キラーの2試合連続のホームランで1回から3点を奪います。

2回には、デビッドソンに負けじと前日のヒーロー・末包昇大 。「きのうのいいイメージが残っていた」と初球をとらえた当たりは、第4号ソロホームラン。自身初の2試合連発でリードを4点に広げます。

先発は、2週間前に森下の代役を務め、巨人を相手に好投した 玉村昇悟 。3回まで無失点に抑えますが、4回、ヒットとエラーで2人のランナーを背負うと、4番・岡本に2試合連続のホームランを打たれ、あっという間に1点差に迫られます。

ただ、やられたらやり返す―。5回ウラ。2アウト・3塁・1塁で7番・堂林翔太 。大歓声が響く中、堂林らしい打球がバックスクリーンの右へ飛び込みます。再び4点差とします。

直後に玉村がエラーがらみで再び2点差とされると、なおも2アウト・1塁で2番手・大道温貴 にスイッチ。巨人は1発出れば同点の場面で代打の坂本。

大道にとって10試合ぶりのリードした場面での起用でしたが、3球連続ストレートで1ボール・2ストライク。そして、4球目は149キロのストレート。全球まっすぐで坂本を抑えました。

このあと、新井貴浩 監督は、思い切った継投に出ます。2点リードの7回は、来日2年目で初のリリーフ登板となったアンダーソン。2か月半ぶりの1軍マウンドは、ランナーを出しますが、ダブルプレーでしのぎ、無失点で役目を果たします。

8回は、直近3試合で88球を投げていた 島内颯太郎 を休ませ、中﨑翔太 に託します。1アウトから連打でピンチを招きましたが、3連覇の守護神は動じず、6-4-3のダブルプレー。リードを保ちます。

そして、9回は、前日から守護神に復帰の 栗林良吏 。今シーズン、3度目の3連投でしたが、無失点試合を9に伸ばす安定した内容でゲームセット。カード勝ち越しを決め、4位・巨人との差を5.5に広げました。

広島カープ 堂林翔太 選手
「チームはけが人も出て、苦しい状況ではありますけど、若い選手もベテラン選手もみんなが1つになって今、やれていると思います。 最後までカープらしく、泥臭く食らいついていきたいと思います。今後も応援よろしくお願いします」

広島カープ 末包昇大 選手
「きのうと言うことは同じです。みんなで優勝しましょう」

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