増収1位は不動産業のコスモプラン(真岡市) 22年県内、増収増益588社 コロナの影響弱まり2年連続増 東京商工リサーチ調べ

 東京商工リサーチ宇都宮支店は21日、2022年の県内増収増益企業の増収率ランキングを発表した。売上高が5億円以上などの調査対象1367社のうち、増収増益だったのは588社で、前年より16.9%(85社)増えた。2年連続の増加となり、増収増益社数は調査を始めた06年以降3番目に多かった。同支店の担当者は「前年より新型コロナウイルスの影響がさらに弱まり、収益の改善につながった」と分析している。

 対象企業の22年1~12月期決算を基に集計し、前年と比較した。対象企業に占める増収増益企業の割合は6.2ポイント増の43.0%だった。

 増収増益企業を四つの業種別に見ると、最多は製造業で57.1%(64社)増の176社と、前年を大きく上回った。半導体不足で製造が滞りがちだった自動車産業や、コロナ禍で製造が中断されていた航空産業が回復傾向にあり、本県でも関連会社を中心に売り上げが伸びたという。

 次いで販売業が6.0%(8社)増の141社、不動産売買や飲食店経営などのその他の業種が24.8%(27社)増の136社と続いた。一方、建設業は9.4%(14社)減の135社で唯一、前年を下回った。

 増収増益全企業の総売上高は2兆6153億円で、前年より12.2%(3639億円)減った。企業数は増加したが、売上高の大きい企業が減収となったことなどが影響した。特に販売業が顕著で、57.6%減の6878億円と大幅に減少した。一方、製造業は51.5%増の1兆2931億円、建設業は5.2%増の2413億円だった。

 増収率の上位10社は、建設業が8社、販売業1社、その他の業種1社。1位の不動産業コスモプラン(真岡市)は、大型の売買案件が成立し、売上高が9億5800万円、増収率は607.3%となった。

 23年の見通しについて、同支店の担当者は「売り上げは増加傾向にある」とみる。一方で懸念材料として原材料費や光熱費の高騰、人件費上昇などを挙げ、「価格転嫁も進んでいるが、それ以上にコストが高まり、利益につながらない企業が増えるのではないか」と指摘した。

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