LRT開業まであと5日 鉄道ファン高まる期待 一般乗車は午前8時から整理券配布へ

沿線には車両写真を撮る鉄道ファンの姿も。開業日は大勢のファンが集まりそうだ=17日午後、宇都宮市宮みらい

 26日に控える次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線開業まで、21日であと5日。開業当日は午前中にJR宇都宮駅東口で発車式などのセレモニーが行われ、一般乗車は午後3時から始まる。県外からも多くの鉄道ファンが訪れるとみて、運行会社の宇都宮ライトレールは一番列車などの電車について乗車整理券を配って対応する。宇都宮市の担当者は「徹夜組が出ることも想定している」と話し、混乱のないよう準備に努める。

 当日は午前10時から開業式、同11時10分から発車式を予定。発車式は、軌道南側の広場を一般観覧エリアとして先着300人に開放する。安全対策のため、同駅との間を結ぶ東西自由通路などでは立ち止まって見物ができないよう、係員が配置される。

 同東口停留場からの一般乗車は、午後3時発を一番列車に同3時台は5〜15分間隔で6本、同4時台から同11時台までおおむね15分間隔で運転する。

 また、乗車需要が高まる同3、4時台は、同東口停留場での乗車人数を定員160人に対し120人(75%)以内とし、整理券を当日午前8時からライトキューブ宇都宮北側の1階通路で先着順に配布する。定期券がある人も整理券が必要になる。市担当者は「場合によっては、前日の夜から徹夜での対応になるかもしれない」と見通す。整理券の配布は同東口停留場のみだが、途中の停留場にも安全対策で係員を配置するという。

 県外の鉄道ファンは、同駅まで在来線か新幹線で来ることが予想される。JR東日本も駅構内でLRTグッズなどを販売して開業を祝うが「通行の妨げにならないよう、駅員が巡回して警備を行う」(広報部)としている。

 歴史に残る一番列車への関心は、鉄道ファンらの間ですでに高い。お盆休みに試運転中の車両写真を撮りに来ていた東京都の自営業男性(65)は「開業日も来ようと思っている」と再訪を予定する。ただ、同東口停留場周辺は混雑が予想されるため、写真は発車式がにぎわう様子を離れた所から撮るつもり。乗車は「落ち着いた時間帯にゆっくり乗りたい」と話す。

 地元の鉄道ファンも冷静に開業日を待っている。会社員岩渕崇(いわぶちたかし)さん(66)=同市今泉町=は「周りの人とけんかしてまで撮りたいとは思わない。カメラは持たず、光景を目に焼き付けたい」といい、何事もなく出発を見届けられることを願っている。

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