福井駅前南通り地区の再開発さらに遅れる見通し 新幹線開業から4年後以降に…状況好転は見通せず

ハピリン南側一帯の福井駅前南通り地区=7月16日、福井新聞社ヘリから撮影

 福井県福井市のハピリン南側一帯の駅前南通り地区再開発を巡り、地権者らでつくる再開発組合は8月17日、2027年春としていた再開発ビルの全体完成時期が28年春以降に遅れるとの見通しを明らかにした。人件費や資材の高騰が想定を上回り、収支計画の見直しに時間がかかっていることが要因。状況の好転は見通せず、組合側は「今後さらに計画が遅れる可能性もゼロではない」としている。

 南通り地区は事業区域約1ヘクタールで、三つのブロックにそれぞれビルを建設し、商業・業務棟やホテル、マンション、駐車場などを設ける計画。当初は北陸新幹線県内延伸に合わせ来年春の一部開業、26年春の全体完成を予定していた。昨年11月にホテルが入るブロックの完成を26年3月末、全体の完成は27年3月末に見直した。

 収支計画見直しの遅れにより、地権者の土地を新たなビルの床の所有権に置き換える権利変換計画の認可は、これまで目標としていた今年9月末から1年近くずれ込む見込み。ビルの完成時期も、いずれも1年遅れになるという。

 組合事務局によると、ビルの規模や機能などの縮小は検討せず、内外装の見直しによるコスト削減やマンション、ホテル事業者の負担増などで収支の均衡を図る考え。ホテル事業者は、西日本を中心にファミリー向けホテルを展開する国内事業者を候補に絞り、今後さらに協議を続ける。

 また、新幹線延伸後のにぎわい維持に向け、南通りに面する広場「ガレリアポケット」と北の庄通りに挟まれたブロックで、解体工事着手予定の26年度中頃まで路面店10区画で組合主導による仮店舗誘致を図る。

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 JR福井駅西口周辺の再開発では、通称「三角地帯」東側のA街区で1階商業フロアの一部とホテルの来春開業に向け工事が進んでいる。三角地帯西側のB街区は来年1月着工、25年11月完成を予定している。

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