記念碑清掃通じ水害学ぶ 諫早・小野中の生徒ら 防災への思い新たに

昭和初期の災害復旧記念碑周辺を清掃する生徒ら=諫早市

 長崎県諫早市立小野中(西山敏明校長)の生徒らが21日、水害の歴史を伝える地元の記念碑周辺を清掃し、防災への思いを新たにした。
 同校では2021年度、地域貢献などを目的に、校区内のエリアごとに「地区生徒会」が発足。六つの地区生徒会が、地域の魅力や課題について考える自主活動に取り組んでいる。本年度は夏休みを利用し、地域の危険箇所をまとめたポスターを作製するための巡回活動、公共施設へのプランター設置などを計画した。
 防災学習を兼ねた21日の清掃活動は小野島地区生徒会が企画し、同地区の約20人が参加。地元に残る大正時代と昭和初期の二つの石碑周辺で鎌などを使い、雑草を刈り取っていった。
 本明川が氾濫し、2千戸近い床上浸水被害が発生した1927年の水害を伝える「災害復旧記念碑」(川内町)周辺では、担当教諭が石碑の由来や先人の思いを紹介。諫早の歴史が水害の歴史でもあることを学んだ。同地区生徒会リーダーで3年生の堤優衣さん(14)は「水害に関する記念碑が地元にあることを、今回の活動を企画するまで知らなかった。自然災害は各地で頻発しており、人ごとではない。学んだことを後輩たちに引き継ぎ、次の活動につなげたい」と話した。

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