巨大地震時、減災指針まとめる 車利用はルール化促進

巨大地震や津波が発生した時の減災指針を示した会合=21日、盛岡市

 岩手県と沿岸12市町村は21日、最大クラスの地震津波被害想定を踏まえた減災指針をまとめた。避難は原則徒歩とした上で、やむを得ず車避難が必要な地域の特定を進める。人数や車の台数、避難路の設定などルール作りを市町村に促す。東日本大震災では渋滞が発生して犠牲者を出した苦い教訓があり、事前の把握を進め迅速な避難につなげる。

 盛岡市内で減災対策検討会議を開き、県と市町村の担当者ら23人が指針を盛り込んだ報告書を承認した。指針では、健常者の避難は従来通り「原則徒歩」とした上で、市町村に対し▽避難ビルを考慮しても徒歩での避難が難しい地域の設定▽対象者と車両台数の把握▽安全な避難路と通行ルールの設定、事前共有-などを求めた。

 車避難を巡っては、これまでも県地域防災計画に「やむを得ず車避難せざるを得ない場合はあらかじめ方策を検討」との旨を明記していたが、「やむを得ず」の対象が曖昧だったほか、渋滞のリスク回避や避難路の選定など課題が多岐にわたり、作業が進んでいなかった。

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