北上線存続へシンポジウム 西和賀町、利用者ら価値再確認

JR北上線の存続に向けて価値を再確認する住民

 JR北上線とまちづくりを考えるシンポジウムは20日、西和賀町上野々の銀河ホールで開かれた。赤字ローカル線の在り方を巡り、JR東日本や国の動きが本格化する中、住民と課題を共有するため町が初めて企画。利用者ら約200人が通勤通学や観光などで担う価値を再確認した。

 町は2022年度の北上-ほっとゆだ駅間の輸送密度(1キロ当たりの1日平均乗客数)が368人で、存廃協議入りの優先度が高い「千人未満」を大きく下回ると説明。東北運輸局鉄道部計画課の小幡真樹子課長は利用促進に向けた広域連携の必要性を指摘した。

 町民らがリレー形式で思いを訴えた。全校生徒97人中54人が北上線を利用する西和賀高の高橋巧河さん(2年)は「北上線がなければ通学もできず、町の良さを実感することもなかった。存続に向け高校生も魅力の発信に関わりたい」と決意を示した。

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