加賀しずく最高値17万円 石川県産ナシ、金沢で初競り プレミアム1箱

過去最高の17万円で競り落とされた「加賀しずく」=22日午前6時半、金沢市中央卸売市場

 石川県産ナシ「加賀しずく」の初競りは22日、金沢市中央卸売市場で行われ、約千箱(5トン)が次々と競り落とされた。最高等級「プレミアム」の1箱(6個入り)には過去最高の17万円の値が付いた。加賀しずくは同日中に県内のスーパーに並ぶ。

 最高値が付いたきり箱入りの1箱は、青果卸・小売業の「堀他」(金沢市)が6年連続で競り落とした。同社が内灘町で経営するカフェ「八百屋のスイーツ HORITA205 HORITA PICNIC」でケーキなどにして提供される。

 堀他の須田隆嗣専務(30)は「期待を込めて値段を付けた。本当においしいものを皆さんに認知してもらいたい」と話した。従来の最高値は昨年の15万円だった。

 13度以上の糖度や、大きさと形が十分整っているなどの基準を満たしたプレミアムは37箱が出された。競りに先立ち、加賀しずく研究会の下田覚会長らがあいさつした。

 市場デビュー7年目の今季は、金沢、加賀、白山市の農家96軒が栽培しており、7、8月の高温のため甘く仕上がったという。9月中旬まで過去最多となる60トンの出荷を見込む。

  ●都内でトップセールス

 石川県の馳浩知事は22日、県庁で会見し、加賀しずくが過去最高値で落札されたことについて「生産者の励みになる。ブランド商品としての味を今後も大切にし、守っていきたい」と語った。

 知事は、加賀しずくや県産高級ブドウ「ルビーロマン」の販売促進のためトップセールスを行う。24日には金沢駅で計400食を試食配布し、31日には東京都中央卸売市場大田市場で仲卸業者にPRする。伊勢丹新宿店でも石川フェアを開催し、ルビーロマンや加賀しずくなどの県産農林水産物を販売する。

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