お盆過ぎても海水浴盛況 高岡・松太枝浜 猛暑嫌がり?クラゲいない

旧盆を過ぎてもクラゲの姿が見られず、海水浴を楽しむ家族連れ=20日、高岡市の松太枝浜海水浴場

  ●関係者「夏まだ終わらない」

 高岡市の松太枝浜(まつだえはま)海水浴場が旧盆期間を過ぎても、多くの遊泳客でにぎわっている。富山県水産研究所(滑川市)によると、富山湾の8月の表層水温は30.38度と過去最高を記録。「災害級」の猛暑を嫌がったのか、厄介者のクラゲがほぼ見られないという。例年より長く海水浴を満喫できる状況が続き、ビーチ関係者からは「夏はまだ終わらない」と喜ぶ声が上がっている。

 日曜の20日、松太枝浜海水浴場は遊泳客でごった返した。涼を求めて会社の同僚や家族の9人グループで訪れた会社員の新上麻依子さん(38)=高岡市守護町=は「3年ぶりの海。浅瀬で遊ぼうかと思ったが、クラゲがいなかったので、思いのほか楽しめた」と汗を拭いながら笑顔で話した。

 友人らでビーチサッカー大会を開催した会社経営の小松ディアス・ディエゴさん(38)=同市角=も「コロナ禍で入れなかった分、まだまだ海で夏の思い出を作りたい」と力を込めた。

 近くでカフェやサーフショップを営む「WaveLunch」の宮田泰成代表(54)によると、22日は休日より少ないが、夏休みの家族連れらの姿も見られ、「今日もクラゲにさされた人はいなかった。例年ならもう終わりの時期だが、太陽が出ていれば9月でも遊泳できそう。松太枝浜の夏はまだ終わらない雰囲気だ」と話した。

 松太枝浜海水浴場では例年、旧盆明けからクラゲが発生すると言われるが、今年はまだ姿が見られない。

 魚津水族館の草間啓(さとし)飼育員は「調査をしていないので理由は分からない」とした上で、「海流、餌の状況といろいろ考えられるし、暑い水面を避けて深いところにいる可能性もある」と指摘した。

 実際、富山湾の海水温は高温で推移している。県水産研究所によると、県栽培漁業センター(氷見市)の地点で、22日の表層水温は30.0度。例年26~29度で推移しており、過去10年で最も高かった。毎月の海洋調査でも、富山湾の県内エリアは8月の発表で30.38度で、記録に残る1953(昭和28)年以降、初めて30度を超えた。

  ●氷見・島尾も

 氷見市の島尾海水浴場も活況が続く。唯一営業を続ける浜茶屋「しきなみ」店主の妻村井かな子さんは「8月に入ってから、クラゲにさされたという話を聞かないぐらい少ないと思う。ピークより減ってきたが、まだまだ遊泳客が多く、しばらく営業を続ける」と意気込んだ。

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