「つなぐ意識」広島カープ 小園海斗 “超積極打法” 8月戦線のキーマンへ 

シーズン開幕の不調を経験し、先月、2か月ぶりに1軍に帰ってきた広島カープの 小園海斗 選手、その根底にある野球への考え方を聞いてきました。

広島カープ 小園海斗 選手
「いや、もう、“つなぐ” ことしか考えていなかったので…」(ヒーローインタビュー)

「後ろの人に “つなぐ” っていうイメージで、ぼくはいつもやっているので」(単独インタビュー)

小園は、7月4日に1軍合流すると、徐々に調子を上げていき、スタメンに定着。後半戦に向けて頼りになる若鯉が帰ってきました。

小園海斗 選手
「やっていく中で(調子を)上げていくタイプだなと思いますし、動いていく中で体が慣れてくるというとおかしいですけど、なじんでくるというか、足を動かすことによって自分のプレーをうまく表現できるかなと思いますし。動いて、とにかく動いて走ってやっていくことが、ぼくの持ち味でもあるので、そこかなと思いますけど」

8月に入ってからは、上位打線で起用されるほどの復調を見せている小園。そこでは、今のチームの雰囲気にも要因がありました。

小園海斗 選手
「監督やコーチもそうですし、本当に声をかけてくださったり、先輩も含めて本当にいろんなところで声かけてもらったり、いろいろ話もしていますし」

「試合中でも何気ない一言で『いってこいよ』とか、ネクストバッターになったときに『全然、もう初球から打っていいよ』とか、本当に何気ない一言でもそうですし、『どんどん、いけよ』っていろんな先輩方から声をかけてもらえるのでありがたいですし、試合に入っていきやすいかなというふうに思っています」

小園の持ち味といえば、初球から打ちにいく積極性―。7月の巨人戦では初球をとらえて勝利を呼び込むホームランを放つなど、そのスイングで打線を引っ張っています。

小園海斗 選手
「ピッチャーはファーストストライクを取りたいと思っていると思いますし、優位に立ちたいなと思っていると思うので、そこの取りにきたボールっていうのは本当にしっかりと一発で仕留めるっていう練習もやっていますし、一番甘く来る、取りにきたボールっていうのは、逃しちゃいけないなと思っているので、そこはしっかり準備しながら打席には向かっています」

“超積極打法” で結果を残してきた小園。その積極性が裏目に出ることもありますが、そこに後悔はないといいます。

小園海斗 選手
「積極的にやっていくっていうのは、本当に勇気も要ることですけど、自分はそこの長所っていうのはあると思うので、そこは忘れずにやっていけているんじゃないかなと思います。打てなかったら、守備だったりとかもそうですし、次の打席で取り返してやるっていう気持ちでやっていますし、そこは変わりないかなと思います」

小園は、7月には9打点、8月もランナーをしっかり還すバッティングで存在感を発揮すると、その勝負強さを買われて、8月15日の阪神戦では3番で出場。しかし、小園は打順に関係なく、後ろに “つなぐ” 気持ちを持って打席に入っています。

小園海斗 選手
「やっぱり、そのとき、そのときで、1番でもチャンスが回ってくることもありますし、まあ、1番は最初に回ってくるので、あれですけど、本当に(打席に)入っていく気持ちっていうのは変わらないですし、なんとか後ろにっていうのは、自分も思っているので」

その “つなぐ” 意識が現れたのが、8月16日の阪神戦。フルカウントから6球をファウルで粘り、最後はフォアボールで出塁。そのあと、後ろに控える 上本崇司 のタイムリーにつなげることができました。

小園海斗 選手
「追い込まれたら、やっぱり、ああいう粘りっていうのも大事ですし、次に “つなぐ” ことも大事かなと思っているので、そこは、そのとき、そのときにおいて冷静にできているんじゃないかなと思います」

リーグ終盤、正念場を迎えている新井カープ。小園もその積極性でチームを引っ張ることを誓います。

小園海斗 選手
「やっぱり積極的にプレーすることによって、本当にチームの流れも変わると思いますし、本当にそういうところで先頭に立っていけるように、そういう気持ちを持ってやっていけたらいいかなと思います。一戦一戦、大事だと思うので、1プレー、1プレーを大事にやっていけたらいいかなと思います」

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RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
ぼくも現役時代、どちらかというと積極的に行くタイプで、それがちょっとダメなのかなと思って、けっこう考えている時間があったんですけれども、当時、東出輝裕さん(現在 2軍コーチ)に「おまえは行かなきゃ、ダメだからね。こっちで手綱引いているから行け。行き過ぎたら、こっちで止めるから」と。そういう先輩が今、たくさんいるんですよね。なので、自分のよさっていうのは忘れずにどんどん積極性を持って戦っていってほしいなと思いますね。

(RCC「イマナマ!」カーチカチ!テレビより)

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